11年に発生した東日本大震災の直後、孤立した宮城県気仙沼市の離島・大島で唯一の島民の足として奮闘した小型連絡船「ひまわり」の船長だった菅原進さんが16日、原発不明がんのために死去した。82歳。18日に火葬を行い、19日に本通夜、20日に葬儀を行う。喪主は長女の美希恵さん。
震災直後、本土と島を結ぶ定期船が運航不能になり、約1カ月間は「ひまわり」だけが孤島の命綱だった。定期船が稼働した後も約8カ月間、菅原さんは無償で島民や荷物を運び続けた。この活躍を海外メディアの英BBCや米CNNなどが“被災地の英雄”として取り上げ、国内でも菅原さんの体験などをまとめた本が小6の道徳副読本として採用された。
「ひまわり」は廃船となった後、20年8月に大島にある菅原さんの自宅敷地内に移設。震災遺構として後世に残したいと願う菅原さんらが中心となって「臨時船『ひまわり』を保存する会」を発足した。だが、クラウドファンディングなどを行っても「保存館」を作る資金が全く足りず、現在も「ひまわり」は雨ざらし状態になっている。
菅原さんは常々、「震災を風化させないためにも『ひまわり』の保存は絶対に必要。『ひまわり』を通じて、津波の恐ろしさを子供たちに伝えていかないといけない」と熱く訴えていた。
「保存する会」は諏訪中央病院の鎌田實名誉院長が会長で、歌手さだまさしが名誉顧問を務めている。
◆葬儀日程 18日に宮城県気仙沼市斎場で火葬を行い、19日の本通夜、20日の葬儀はアーバンメモリアルホール田中前(気仙沼市田中前4丁目3ー1)で実施する。

