身内から「石破おろし」にさらされていた石破茂首相(自民党総裁)は7日、官邸で会見し、辞任する考えを正式に表明した。

「このたび私は、自民党総裁を辞することといたしました」と述べ、任期中の総裁の辞任に伴う自民党総裁選の実施を森山裕幹事長に支持したと明かした。

石破首首相は2日の党両院議員総会で「地位に恋々とするものでも、しがみつくつもりもまったくない」「しかるべき時にきちんとした決断をするということが私が果たす責務」と語っていた自身の言葉を持ち出し、米国政府との間で続いていたトランプ関税交渉について「私どもの政権の責任で道筋をつける必要があると考えていたが、先週投資に関する覚書の署名が行われ、1つの区切りが付いたと感じた。区切りがついた今こそが、しかるべき時だと考え、後進に道を譲る決意をした」と語った。

石破首相は、参院選大敗で退陣圧力を受けても意地で続投してきたが、総裁前倒しの動きが勢いを増し、万策尽きた。

総裁選前倒しになった場合を想定し、「解散カード」をちらつかせてきたが効果はなく、権力者として毅然(きぜん)とした責任がとれないまま、40日近い「政治空白」を生んだ。

最後は、6日に2時間会談し、二人三脚で来た小泉進次郎農相が促した「自発的辞任」という進言を受け入れた。

自民党が8日に予定した総裁選前倒しの意思確認は、各社の調査によると、党則で定められた前倒し実現に必要な過半数(172人)を超える勢いをみせていた。自民党は8日の意思確認の手続きはとりやめる見通しで、10月上旬にも総裁選を行う予定で準備に入った。

国民人気の後押しで期待が注がれた石破政権は、選挙大敗とその後の首相本人の「迷走」という負の要素をもって、約1年で幕を閉じる見通しとなった。

◆石破茂(いしば・しげる)慶大卒。銀行員を経て86年に衆院初当選。93年に自民党を離党し97年に復党した。防衛相、農相、党幹事長、地方創生担当相などを歴任し、24年10月に首相就任。68歳。鳥取1区、当選13回。

石破首相が辞任を正式表明 総裁選前倒し要求に勢い「解散カード」も効果なく万策尽きる