高市早苗首相は26日、国会内で行われた党首討論に就任後初めて臨んだ。
台湾有事をめぐる今月7日の国会答弁以降、中国側が反発していることをめぐり、立憲民主党の野田佳彦代表から答弁の真意を問われた際、「私も具体的なことに言及したいとは思いませんでしたが、具体的な事例を挙げて聞かれたので、その範囲で私は誠実にお答えしたつもりです」と述べ、質問した立憲の岡田克也元幹事長の質問が具体的な内容だったためなどと釈明した。
野田氏は「私自身も、日中関係を悪化させたことがある当事者。2012年9月にいわゆる尖閣の国有化をした。歴史上でも国際法上でも、我が国固有の領土であるのは間違いなく、東京都が買い取ろうとしていたのでそれよりは国が所有した方がという政治判断で、チームをつくって戦略的に取り組んだ」と、悪化した日中関係の当事者でもあった自身の経験を回顧。「当然、ハレーションが起きると予想はしていたし今も影響は残っていると思っているが、それと今回は違うと思う。明らかに、総理の独断で出てきた言動で始まり、チームがあったとは思えない」とした上で、高市首相に国会答弁の真意を問うた。
野田氏はまた、「尖閣は、我が国の国内問題。自負をしながら内外に説明し続けているが、今回の台湾については、中国が国内問題と思っている。尖閣の国有化で生まれた摩擦より、私は影響は深刻ではないかと思っている」とも訴え、政府の公式見解をあらためてただした。
これに対し、高市首相は「存立危機事態の認定については、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府がすべての情報を総合的に判断する。これは繰り返し答弁している」と強調。「じゃあ、なぜそういう答弁をしたかということだが、予算委員会で問われ今ほどの答弁をした。質問者(岡田氏)の方が、麻生(太郎)副総裁や私の名前を挙げ、私の場合は2回前の(2021年)総裁選の時のフジテレビの番組で具体的に台湾有事などに問われて答えたものを申し述べられた。質問者の方から、台湾有事に限定し、シーレーン封鎖に言及されてのご質問があった」と説明した。
その上で「その時に、私も具体的なことに言及したいとは思いませんでしたが、こと予算委員会でございます。政府のこれまでの答弁を、もう1度、もう1度、と繰り返すだけでは、場合によっては(委員会審議を野党に)止められてしまう可能性もあるので」と釈明すると、野党席から異論のヤジが飛んだ。
高市首相は気にすることなく、「国会議員は全国民の代表です。具体的な事例を挙げて聞かれたので、その範囲で私は誠実にお答えしたつもりです」と述べた。
また「ただ、政府見解は、繰り返しますが、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が総合的に判断するということ。これも何度もお答えしている」と主張。「サンフランシスコ平和条約で、我が国は台湾に関するすべての権利権限を放棄しており、台湾の法的地位や認定をする立場にはございません。あくまで聴かれたことに対して、言える範囲で答弁をさせていただいた」と、繰り返し強調。「日本政府の統一的見解は、昨日閣議決定しましたが、先ほどから答弁したとおりで、それ以上でもそれ以下でもない」と主張した。
政府は25日、公明党の斉藤鉄夫代表が提出した、台湾有事に関する答弁をめぐり「存立危機事態の認定基準を完全に維持しているのか」などの質問主意書に「完全に維持しており、見直しや再検討が必要と考えていない」とした答弁書を閣議決定している。野田氏はこの答弁書を読んだとした上で「あらためて、政府見解も確認させていただいた。それを、繰り返し繰り返し繰り返し、総理を先頭に説明していかないといけないと思う」とクギを刺し「そこから一線を越えることがないようにしてほしい。いまちょっと、越えそうな感じがあったので、心配になった」と、再度注文をつけた。

