将棋の女性初の棋士を目指し、2度目のプロ棋士編入試験を受験することを表明した福間香奈女流6冠(33)が5日、大阪府高槻市の関西将棋会館で会見し、意気込みを語った。

「力を尽くして全力で戦いたい」と語り、受験の“決め手”は「主人から『好きにやったらいいよ』と言ってもらった」と明かした。福間は23年5月に、棋士養成機関「奨励会」の元三段の福間健太さんと結婚。出産を経て今年2月に復帰した。共働きの健太さんとともに子育てし、対局の日や宿泊のあるタイトル戦のときは子どもの面倒を健太さんがみている。

「子どもができ、日々、成長する姿を見て、自分自身はこのままでいいのかと。棋士として成長するために真剣に向き合わなければいけないと思った」。

子育てと将棋の両立を目指すことで、心境の変化もあった。「出産したことが自分を強くさせてくれた。守るべき存在ができたので、自分自身ももっと成長しなければいけないと思った」。

福間は10月6日に行われた第67期王位戦予選で勝利し、プロ棋士相手の直近公式戦成績を10勝5敗(勝率6割6分6厘)とし、プロ編入試験を受けるのに必要な「最近の公式戦で10勝以上、かつ勝率6割5分以上」の条件を満たし、2度目のプロ編入試験の受験資格を満たした。

11月4日に受験を申し込み、連盟が受理した。

編入試験は新人の棋士5人と対戦、3勝で合格となる。将棋のプロは棋士と女流棋士がいて制度が異なり、棋士になるには養成機関の奨励会を卒業するか、編入試験合格が条件。女性の編入試験受験は西山朋佳女流2冠(30)も受けたが、不合格だった。今回、福間が合格すれば、史上初の女性の棋士が誕生する。

福間は島根県出雲市出身。女流タイトル獲得は最多の67期を誇る。終盤の鋭さから「出雲のイナズマ」と呼ばれる。

第1局は棋士養成機関の奨励会員として初めて竜王戦の予選で優勝を果たし、10月に棋士となった山下数毅四段(17)と対戦する。、第2局以降は片山史龍四段(21)、生垣寛人四段(22)、岩村凛太朗四段(19)、炭﨑俊毅四段(17)に決まった。「かなり厳しい戦いなると思う」と表情を引き締めた。【松浦隆司】