将棋の第73期王座戦を制した伊藤匠王座(叡王=23)の就位式が19日、都内のホテルで行われた。伊藤は、昨年9月から10月に行われた今期の5番勝負に初めて挑戦権を得た。7冠を保持していた同学年の藤井聡太王座(当時)から3勝2敗でタイトルを奪取。一昨年6月、将棋界の全タイトルである8冠を保持していた藤井から奪った叡王を昨年防衛したのに続き、2冠となった。これでタイトル3期獲得となり、師匠の宮田利男八段を抜いて、九段に昇段した。
17日に名古屋市で行われた第19回朝日杯本戦トーナメントでは、ベスト4進出一番乗りを果たした。3連覇がかかる叡王戦5番勝負の第1局が、4月3日にシンガポールで開催されることも発表されている。モチベーションが上がる。
謝辞で、「実は、王座戦は1次予選を突破したこともなくて、番勝負(挑戦者としてタイトル戦に登場する)までは遠い道のりだと感じておりました。今期は(タイトル保持者で予選免除のため)2次予選も飛ばして本戦からのスタートということで、そのスタート位置の良さを生かして挑戦権を得ることができました。5番勝負は開幕がシンガポールということで、貴重な経験もできました」と振り返った。
4月からの叡王防衛戦にも触れ、「と思っていましたら、今年も4月にもシンガポールを訪れる機会をいただいて、とても驚いているんですけど、対局の内容は悔いが残ったので、リベンジの機会がいただけたと感じております」と出席した関係者を笑わせた。
今期の王座戦はフルセットまでもつれたが、「私自身、普段の実力以上の力を発揮できました。第5局では今までなかなか指せなかった、クオリティーの将棋を指すことができたと感じていて、今後の自信にもつながる1局になりました。来期以降も実力を高めてよりよい将棋をお見せできるように精進してまいります」と締めくくった。

