将棋の第73期王座戦を制した伊藤匠王座(叡王=23)の就位式が19日、都内のホテルで行われた。伊藤は、昨年9月から10月に行われた今期の5番勝負に初めて挑戦権を得た。7冠を保持していた同学年の藤井聡太王座(当時)から3勝2敗でタイトルを奪取。一昨年6月、将棋界の全タイトルである8冠を保持していた藤井から奪った叡王を昨年防衛したのに続き、2冠となった。
乾杯は、師匠の宮田利男八段(73)が務めた。師匠は王座戦がタイトル戦となった第31期の挑戦者決定戦で兄弟子の中原誠現16世名人とぶつかった。その観戦記を2人の師匠の高柳敏夫名誉九段(故人)が担当したという思い出話を披露した。「普通でしたら対局場はピリピリした雰囲気があると思うんですけど、まったくなかった。あの時は負けたけど、うれしかった。敢闘賞の賞品ももらった。それから40何年後、5番勝負でしっかり勝って本当にうれしかった。勝った翌日に知り合いからメールが山のように来たんですけど。師匠の誕生日に合わせて勝つ人はいませんとあった」と笑顔を見せた。
師匠にとって、今期の第5局の開催日となった昨年10月28日は結婚記念日、翌日は誕生日だった。「そんなうまいことがあるのかな。びっくりなんですけど。本当にありがとう」と出席者を笑わせ、弟子に感謝していた。

