藤井聡太棋王(竜王・名人・王位・棋聖・王将=23)が増田康宏八段(28)にかど番に追い込まれた、将棋の第51期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第4局が15日、栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」で行われた。午前9時から始まった対局は、午後7時15分、相掛かりからの攻め合いの末、126手で後手の藤井が最後に抜け出した。これで対戦成績2勝2敗に追いついた。4連覇か、失冠か、注目の最終第5局は29日、鳥取市「有隣荘」で行われる。
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藤井が棋王戦4連覇に望みをつないだ。最終盤、増田の5連続王手を最善手でしのいだ。相掛かりから増田の指し手に追随してチャンスをうかがい、詰みの形を作った。
「自玉が詰むかどうかという勝負。最後まで分かりませんでした。まとめづらい形になってしまった。全体として判断の難しい将棋だった気がします」と振り返った。
過去6戦6勝。栃木県でのタイトル戦は無敗を誇る。先週8、9日に大田原市「ホテル花月」で行われた王将戦7番勝負第5局は、永瀬拓矢九段に押され気味ながら逆転勝ち。2勝3敗として、かど番をしのいだ。「ダブルかど番」も何のその。23年に渡辺明棋王(当時)からタイトルを奪取して6冠となり、24年に伊藤匠現2冠を破って棋王初防衛した地で、今回は星を五分に戻した。
前日の移動では鉄道大好きの自らが「役得」と称する東武特急スペーシアXで移動し、「鉄分補給」は十分だった。対局のおやつでは午前が「鬼平の水ようかん」、午後は「酒まんじゅう」と、大好きなあずきで糖分補給して乗り切った。
2勝2敗で迎える5番勝負のタイトル戦は過去3回。21年叡王戦は、豊島将之叡王(当時)に挑戦して奪取した。24年叡王戦と25年王座戦はいずれも同学年の伊藤匠現2冠に敗れている。かけ持ちしている王将戦同様、まだまだ「連続失冠」の可能性はある。「最終局になるので精いっぱい頑張りたいと思います」。今度は最後に笑う。【赤塚辰浩】

