鮫島駿騎手の馬場読みがピタリと当たった。「内しか伸びない」。レース前からスタンド前のポジション取りに全神経を集中。ホープフルS、皐月賞で出負けしたジャスティンパレスを好スタートに導くと、いったん内のミスターホワイトを前へ行かせて、その後ろから最内へ潜り込んだ。

もし、出たなりで先行させていたら、1コーナーで3、4頭分外を回っていただろう。そうなると進路を替えるのは容易ではない。各馬が殺到する中、瞬時の判断がビクトリースポットを手に入れた。理想的にラチ沿いを取った後は、逃げたリカンカブールの後ろでしっかりためを作った。

4コーナー手前で後退したミスターホワイトを内からかわすと、直線は逃げ馬の外へ出してスムーズに進路を確保。追い出しは後続を待たず一気に先頭へ躍り出た。道中でしっかり脚はたまっている。早めにスパートすることで、差し・追い込み馬の体力を奪う。絶妙のタイミングだった。

2着で穴をあけたヤマニンゼストも、馬場の内めを強襲した馬。やはりインコースを突いた馬がよく伸びた。鮫島駿騎手のスタンド前での「内入れ」選択が3馬身半差の圧勝につながったといっていい。

神戸新聞杯を制し、ファンの声援に応える鮫島駿騎手
神戸新聞杯を制し、ファンの声援に応える鮫島駿騎手