セイウンハーデスは外枠(8枠15番)からリズム良く流れに乗った。これが一番の勝因だ。最近はブリンカー着用で集中力が出てきたとはいえ、もともと周囲を気にする難しい面がある馬。馬群に包まれると進みが悪くなったり、内外へ逃げたりと100%力を出し切れないこともある。

その点、今回はかぶされる心配のない枠で、1コーナーまでの直線距離が長い2000メートル。無理に出して行く必要はない。内の馬の出方を見ながらゆっくりポジション取りができたことでためも作れた。内から行く気を見せたバトルボーン、テーオーソラネルを行かせての3番手は理想的な位置といえる。

向正面では4番手のシフルマンに後ろから突いてもらう形。決して外から並ばせることはなく、1馬身という絶妙な距離感で集中力を保った。4コーナーでは早めに先行2頭の外へ。仕掛けてすぐトップスピードに入るタイプではなく、惰性をつけながらの仕掛け。このあたりは幸騎手がよく心得ている。

直線は少し外へもたれ気味だったが、ステッキに反応してラスト100メートルで後続を突き放した。まだ、ゴール前は余力を感じたし、もっと強いメンバーならさらにパフォーマンスは上がるはず。精神的にもたくましくなり、秋は再度G1戦線へ駆け上がる。

七夕賞を制したセイウンハーデスと幸英明騎手(2023年7月9日撮影)
七夕賞を制したセイウンハーデスと幸英明騎手(2023年7月9日撮影)