JBCクラシック3連覇のほか、04年帝王賞などを制したアドマイヤドン。種牡馬となり、11年に韓国に渡り、昨年9月に23歳で世を去った。最後の種付けは昨年3月。今年2月19日に生まれたという最後の産駒に韓国で会ってきた。

生産牧場は17年2月に開業した龍仁市のPNSファーム。母ソンアムロンダドール(父クロフネ、母ロンダドール)は父が最後に繋養(けいよう)されていた利川市のソンアム畜産にいたが、PNSファームのナム・ヒョンソク代表が「とてもいい馬だったので」と母にほれ込み、出産前の昨年12月に購入したという。15年に韓国で生まれた母は血統からも分かるように日本からの持ち込み馬。母の父クロフネの配合は過去に日本での産駒にもいたが、血統登録されたのは牝馬が1頭だけ。くしくも同配合で初めての牡馬が最後の最後に韓国で誕生した。

乗馬場の施設を引き受けて開場したPNSファームには屋内馬場があり、屋外の放牧場と併せて放牧にも利用。取材当日はローテーションで屋内にいた。「母を購入する時からこの馬を念頭に置いていました」と同代表。新鋭牧場の期待も背負い、再来年のデビューを目指す。【牛山基康】