中央6戦0勝のアルムダウンが岩手4戦1勝を経て浦和に移籍してきた。その名を今日の5Rに見つけ、内田利雄騎手が韓国遠征時に主戦を務めていた名馬のことを思い出した。アルムダウンジルチュだ。

「アルムダウン」は韓国語の形容詞の連体形。意味は「美しい」で、「アルムダウンジルチュ」は日本語に訳すと「美しい疾走」。06年デビューのアルムダウンジルチュは釜山慶南競馬場の所属馬としては当時の最多勝となる19勝を挙げ、11年に引退した。32戦のうち14戦に騎乗した内田騎手は同馬だけで9勝。2度の遠征で記録した同騎手の韓国通算695戦138勝に大きく貢献した。「美しいというよりは力強い走りをする馬でしたね」と内田騎手。ペク・クァンヨル厩舎のハードな調教で鍛え上げられ、ハンデ戦で62・5キロの酷量を克服したことも話題になり、同競馬場で21年からスタートした2歳のリステッドレースには同馬の馬名が冠されている。先月8日に第3回が行われたと聞いた内田騎手は「本当は乗りに行きたいところですが…」と苦笑い。10数年前に韓国で伝説的な成績を残したレジェンドだが、どうやら3度目の韓国遠征はなさそうだ。【牛山基康】