馬券発売が決まったこともあって世間の目は2月24日(土曜)のG1サウジカップに向かっていますが、これに先立つ17日(土曜)にサウジの隣国カタールで3頭の日本馬が参戦する注目の国際競走が開催されます。


ドーハにあるアルライアン競馬場の芝2400mで行われるアミールトロフィーは、総賞金250万ドル(約3億6300万円)、優勝賞金142万5000ドル(約2億700万円)の国際G3競走(国内G1)。フルゲートは16頭です。


今年は日本からサトノグランツ(牡4、父サトノダイヤモンド、栗東・友道康夫厩舎)、ゼッフィーロ(牡5、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)、ノースブリッジ(牡6、父モーリス、美浦・奥村武厩舎)の3頭が遠征します。日本馬は2019年に森秀行厩舎のユウチェンジがアイリッシュサラブレッドマーケティングカップ(芝1600m)に出走(9着)したことがありますが、バリバリの重賞勝ち馬がカタールの土を踏むのはこれが初めてです。


川田将雅騎手で向かうサトノグランツはG2京都新聞杯とG2神戸新聞杯の勝ち馬。右回りの芝2400m戦は3戦2勝、3着1回と好相性です。


ゼッフィーロはG2アルゼンチン共和国杯に優勝、昨年末のG1香港ヴァーズはフランス調教のジュンコの2着でした。右回りの芝2400m戦は2戦1勝、2着1回。鞍上はアルゼンチン共和国杯で勝利をつかんだジョアン・モレイラ騎手となっています。


岩田康誠騎手で臨むノーズブリッジはG3エプソムカップとG2アメリカジョッキークラブカップの勝ち馬。右回りの芝2400m戦はこれが初挑戦。父モーリス、母の父アドマイヤムーンともに海外で優勝経験があり、血統にも注目です。


UAEからは一昨年のG1ブリーダーズカップターフ、G1オイロパ賞、G1ベルリン大賞に勝ったレベルスロマンス(せん6、父ドバウィ、C・アップルビー厩舎)が参戦します。昨年は体調が整わず大した成果を残せませんでしたが、暮れの英国ケンプトン競馬場のリステッド競走(AW2400m)で復活。カタールで今季初戦を迎えます。


香港からは昨年の覇者ロシアンエンペラー(せん7、父ガリレオ、D・ホワイト厩舎)が連覇をかけて出走します。昨年は直線鋭く伸びて快勝。その後、ドバイに転戦してG1ジェベルハッタ5着、G1ドバイシーマクラシックはイクイノックスの8着でしたが、香港に戻って2戦目のG1チャンピオンズ&チャターカップで大本命のロマンチックウォリアーを首差退けて金星を挙げました。昨年11月に左前肢を骨折し、心配されましたが、けがは軽微で今年1月のG1香港スチュワーズカップ(7着)で復帰を果たしました。


アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎からは重賞4勝馬で、10月のG1英チャンピオンステークスでキングオブスティールの4着したポイントロンズデール(牡5、父オーストラリア)が参戦します。前走はバーレーンで行われた国際競走のG2バーレーンインターナショナルトロフィー3着。軟らかい馬場が合っている馬です。


フランスからは一昨年のG1ジャパンカップに参戦したシムカミル(牡5、父タマユズ、S・ワッテル厩舎)がエントリーしています。昨年は5戦3勝、G1ガネー賞でイレジンの2着し、ドイツに遠征した8月のG1ベルリン大賞で待望のG1タイトルをつかみました。


これ以外にもG2バーレーンインターナショナルトロフィー2着から向かう英国ジョン&テディ・ゴスデン厩舎のイスラル(牡5、父タマユズ)などが参戦予定。地元のカタール調教馬も加わってにぎやかな顔ぶれになりそうです。

(ターフライター奥野庸介)

成績等は2024年2月8日現在

※次回の更新は2月23日を予定。