3番人気ホッコーメヴィウス(せん6、清水久)が3分28秒4のレコードで制し、黒岩悠騎手(38)がデビュー21年目でうれしい重賞初制覇を果たした。

執念の逃げ切りだった。「残り1ハロンのところで赤い勝負服(ゼノヴァース)が見えた。なんとか頑張ってくれと思いました」。懸命に追う黒岩騎手にホッコーメヴィウスが応えた。重賞2着3回3着1回の善戦止まりだった馬も、初めての勲章をつかみ取った。

検量室前では清水久師が大きな拍手で出迎えた。「ハナヘ行き切れたのが良かったと思う。レコードだし、馬場も味方しましたね。なんとか黒岩に勝たせたかったので、本当にうれしいです」。厩舎の看板馬キタサンブラックを調教パートナーとして支え続けた陰の立役者が、この日は主役になった。「ずっと乗せてくださったオーナー、先生、お世話になった皆さんに恩を返せた。また次も頑張りたい」。鞍上は瞳を潤ませ、笑顔で感謝を口にした。【木南友輔】

◆ホッコーメヴィウス ▽父 ダイワメジャー▽母 ホッコーメモリー(ダンシングブレーヴ)▽せん6▽馬主 北幸商事(株)▽調教師 清水久詞(栗東)▽生産者 高昭牧場(北海道浦河町)▽戦績 35戦4勝(うち平地19戦1勝)▽総収得賞金 1億2294万円(うち内平地1160万円)▽馬名の由来 冠名+人名より