今週の日曜東京メインは、日本馬と外国馬が激突するジャパンC(G1、芝2400メートル、27日)が行われる。

パリ大賞覇者オネスト(牡3、F・シャペ)は金曜朝、東京競馬場のダートコースを力強いキャンターで駆け抜け、その後は装鞍所とパドックのスクーリング(下見)を行った。落ち着きがあり、馬体もふっくら見せている。調教終了後、取材に応じたシャペ師はこの日も自信満々の様子だった。「今朝もストレッチ程度の運動にとどめました。軽めの調整ですが、すべて順調にきています。東京競馬場のような大きな競馬場ではスクーリングが大事になりますが、馬もしっかり周囲を見ていて、いいスクーリングができました」。前日木曜に決まった枠順については「ゲートから速く出るタイプではないので、もう少し中寄りが良かったのが正直なところですが、2番もいい枠だと思います」とうなずいた。

陣営には心強い援軍もやって来た。オーナーのオーギュスタン・ノルマンのレーシングマネジャーであり、馬主代理のジョン・ハモンド氏だ。ハモンド氏と言えば、凱旋門賞馬モンジューを育てた名調教師。ジャパンCには5度参戦し、92年ディアドクターはトウカイテイオーの3着。95年エルナンドも3着。99年には凱旋門賞馬モンジューで挑んだ(4着)親日派トレーナーだった。ハモンド氏に馬場を歩いた印象や勝算を聞くと「馬場は素晴らしいですね。それよりなにより、クアランティーン(検疫)の仕組みが素晴らしくなったと思う。以前は競馬学校経由だったのに対し、劇的に進化しました。この違いは大きいです。オネストが勝つチャンスは当然あると思っていますよ。日本馬はダノンベルーガ、シャフリヤールなど強い馬もいますし、もちろん、イージーなレースではありません。日本馬が凱旋門賞を勝てないように、ね」とニッコリ。「初めて日本に来てから30年くらいになる。前回来日したのも10年くらい前かな。日本のファンはモンジューを忘れることはない? それはうれしいけど、あのジャパンCはつらい経験になりました。え~ん」。おどけたしぐさでモンジューのジャパンCを振り返った。

シャペ師は「ハモンド氏は実績も素晴らしいし、いろいろとアドバイスをいただきました。輸送のポイント、日本での調教やレースのやり方などを聞きましたよ」と笑みを浮かべた。オネストは本来、紫の帽子に真っ白な勝負服だが、1枠に入ったため、上から下まで真っ白な白衣に身を包んだルメールに手綱を任せることになる。出走馬で最上位のレーティングを持ったパリ大賞覇者。オネスト陣営のムードは最高潮だ。