先週、複合型場外の双葉(山梨県甲斐市)でボートレースの予想会をしていると、常連客のX氏(匿名、推定60代)が真顔でぽつり。「西島って男はすごいね~。F3になっても手を抜かないんだから。舟券で負けても納得できる数少ない選手だよ」。X氏の手には西島のハズレ舟券(頭勝負、結果は2着)が握られていた。
SG3連覇のレジェンド西島義則(64)がフライング(F)2本を背負って参戦した地元宮島のマスターズチャンピオン。だが、初日の大敗を挽回(ばんかい)すべく必勝を期した2日目に痛恨のF3。スリット前で上体を起こし、最後まで大時計を凝視していたが、予選突破へ望みをつなぎ、何より自身のイン戦(1号艇)を買ってくれたファンの信頼に応えるべく、後に引けない状況でした。
結果、F3の崖っぷちに立たされましたが、西島の西島たる所以(ゆえん)はここから。帰郷することなく、F後もレースに出続け、2、6、2、1、2着(平均スタートはコンマ15)。F3でも平然とコースを奪取し、確実にスタートも決めてくる。匠(たくみ)の心技体に加え、常にファンへの責任を背負って走る気概を示すからこそ、X氏が言う「負けても納得できる選手」なのかもしれません。
ちなみにボートレースでは、級別審査対象期間(半年)にFを1本切ると基本30日の出場停止。2本目は30日+60日=90日、3本目は30日+60日+90日=180日。万が一にも4本目のF(過去に例はなし)を切ると実質的に登録消除が確定(退会勧告)ですから、西島のプライド、生き様、プロ意識の高さがひしひしと伝わってきました。競馬の武豊に競輪の神山雄一郎(引退)、オートレースの高橋貢、ボートレースの今村豊(引退)…。ファンを魅了してやまない真のレジェンドたちが歴史を刻む公営競技って本当面白いですね!
今週の天皇賞・春は松山弘平のアクアヴァーナルで勝負。公営競技ファンの共通の思いは勝っても負けても納得のいくレース。いつも最善を尽くしてくれる誠実、謙虚な松山騎手なら史上2人目の桜花賞→皐月賞→天皇賞・春の3連勝も夢じゃない。そんな気がしています。




