2年前の予感が現実に-。川田将雅騎手(37)に導かれ、素質馬プログノーシス(牡5、中内田)が重賞初タイトルをつかんだ。

後方追走から直線一気の差し切り勝ち。大阪杯(G1、芝2000メートル、4月2日=阪神)の優先出走権を獲得した。今後は馬の様子を見ながら、オーナーサイドと協議の上で決定される。

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遅れてきた大物プログノーシスがついに素質を開花させた。デビュー8戦目でつかんだ重賞初タイトル。検量室前に戻った川田騎手は、愛馬の首筋をポンポンとたたいてねぎらった。

「最初からポテンシャルの高い馬でしたが、その分、難しいところがあり、安定して結果を出すことが難しいタイプです。とはいえ、ここまで順調に歩みを進められていると思います」

手綱を取れば5戦5勝の頼れる鞍上は、冷静にこれまでを振り返った。

我慢の競馬だった。大外枠からゆったりとしたスタートで後方に。脚をためようとしたが、1コーナーでは行きたがった。「いい形にならないまま1コーナーに入った分、馬にスイッチが入ってしまい、その後、力みっぱなしになってしまいました」。それでも直線では上がり最速33秒9の末脚を披露。「馬場が緩く、乾いた馬場の方が能力を発揮できるタイプだと思いますので、そういうところも多少影響しました」。条件も向かない中で圧倒的な勝ちっぷりだった。

デビュー戦は2年前(21年3月13日)。当時の1週前、当週の追い切りに騎乗した川田騎手は相当な素質を感じていた。「これは走る。この先、重賞でもやれていい馬」。馬名の意味はギリシャ語で「予知」。昨年は騎手大賞に輝いた名手が抱いた予感は、いよいよ現実のものとなった。

そして、さらなる大舞台へ。大阪杯の優先出走権を手にしたとはいえ今後については未定だが、中内田師は「ようやく重賞がとれました。状態を見てからですが、もう1つ上のクラスで戦わせてみたいです」と先を見据えた。ディープインパクト産駒の大物が、今年のG1戦線の主役になるかもしれない。【藤本真育】

◆プログノーシス▽父 ディープインパクト▽母 ヴェルダ(オブザーヴアトリ)▽牡5▽馬主 (有)社台レースホース▽調教師 中内田充正(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 8戦5勝▽総収得賞金 1億4062万1000円▽馬名の由来 予知(ギリシャ語)