2番人気ソウルラッシュ(牡5、池江)がゴール前でウイングレイテストを首差差し切り、昨年4月のマイラーズC以来の重賞2勝目を挙げた。勝ち時計は1分31秒6。トップハンデ59キロを背負いながら、地力の差を見せつけた。

ハンデ59キロで勝ったのは81年サクラシンゲキ以来42年ぶり(通算3勝目)。次走は富士S(G2、芝1600メートル、10月21日=東京)か、マイルCS(G1、芝1600メートル、11月19日=京都)に進む予定だ。

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ここでは力が違った。重賞7度目の出走でG3初挑戦のソウルラッシュには最重量ハンデも、安田記念(9着)以来の休み明けも関係ない。コンビ結成5戦目で初めて白星に導いた松山騎手がうなずいた。「59キロというハンデを背負いながらも差し切ってくれた。強い競馬だったと思います」。

スタート直後、中山がどよめいた。最軽量51キロのグラニットが好スタートからハナに立った。数分前、阪神のセントウルSでは14番人気テイエムスパーダが逃げ切りを決めていた。まさか、こちらも-。そんな雰囲気もファンには漂っていた。それでも松山騎手は「ポジションを取って自分のリズムで運ぼうと考えていました。しっかり脚もたまりましたし、追ってからも動けているなと」。冷静な判断で勝利をもたらした。

G1でははがゆい競馬が続く。前走の安田記念は調教で持ち前のはつらつさが足りなかった。3カ月の休養を挟んだ今回、改善を感じた。鞍上は「安田記念の時より良くなっているなと。でも、まだまだ良くなると思います」。成長途上で結果を出した。だからこそ、今後が楽しみだ。最後には「G1に向けて、いいレースになったと思います」と力を込めた。今後は海外G1の香港国際競走(12月10日=シャティン)の出走も視野に、ローテーションが組まれていく。初のG1タイトルへ向け、弾みとなった秋の始動戦。5歳ソウルラッシュが、充実期を迎えた。【阿部泰斉】

◆京成杯AHトップハンデ馬の勝利 07年キングストレイル(57キロ)以来16年ぶりで通算14勝目。59キロで制したのは69年ライトワールド、81年サクラシンゲキに続き3頭目。

◆ソウルラッシュ ▽父 ルーラーシップ▽母 エターナルブーケ(マンハッタンカフェ)▽牡5▽馬主 石川達絵▽調教師 池江泰寿(栗東)▽生産者 下河辺牧場(北海道日高町)▽戦績 16戦6勝▽総収得賞金 2億1921万8000円▽主な勝ち鞍 22年マイラーズC(G2)▽馬名の由来 魂の突進