秋の東京開催を彩る毎日王冠(G2、芝1800メートル、8日)の追い切りが4日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」は、東京の阿部泰斉記者、舟元祐二記者が担当する。阿部は春にG1・2連勝と充実一途のソングライン(牝5、林)、舟元は21年の勝ち馬シュネルマイスター(牡5、手塚)にそれぞれ注目した。

阿部 毎日王冠ですよ。毎日王冠。G1に引けを取らないスーパーG2です。

舟元 気合入っているね。好きなレースなんだ。

阿部 はい! 初めて競馬を生観戦したのが17年のこのレースなんですよ。リアルスティールが勝った時です。

舟元 リアルスティールの走りに心をスティール(奪われた)されたわけだ。

阿部 馬名のスティールは鋼鉄の方ですよ。

舟元 マジレスしないでよ(泣き)。

阿部 ソングラインがよく見えましたね。

舟元 いきなりきたな。美浦ウッド6ハロンで3頭併せ。84秒5-11秒0で走破し、外チュウワスプリング(3歳1勝クラス)を2馬身、内ヴァンナチュール(3歳1勝クラス)を4馬身突き放す圧倒的な内容で、しまいの動きは確かにすごかった。

阿部 ラスト1ハロンは自身の追い切りでキャリア最速タイ(22年ヴィクトリアM)。今年のヴィクトリアMと同じく3週連続3頭併せで全て先着。春以上の出来が見込まれます。騎乗した戸崎騎手も「春よりもいいですね。感触ががらっと変わるわけではないが、精神面や動きが良くなっている」と好感触でした。

舟元 初距離の1800メートルがどうかな。

阿部 精神面の成長があるので対応可能です。鞍上も「もともと乗りやすい馬だが、さらに集中力が上がっている。今の感触なら問題ない」と。

舟元 シュネルマイスターも良かったよ。

阿部 美浦ウッド6ハロンで併せ馬。83秒5-11秒3ですか。この馬としては普通では。

舟元 内容は全然違う。直線まで外のヴァーンフリート(古馬3勝クラス)を追走して、最後だけ仕掛けられるとぐんと伸びた。反応速度が半端じゃなかった。気難しいところがある馬だけど、指示に従順で躍動していたよ。手塚師も「反応が先週よりも良くなっている。態勢は整った。これならチャンスはある」と意気込んでいた。

阿部 安田記念ではソングラインに2戦2敗です。

舟元 そこは痛いけど、この舞台は3歳時に勝っているから。手塚師も「(古馬になって)1回くらいソングラインに勝ちたいよね」と意識している。

阿部 5歳馬同士ですね。

舟元 リアルスティールも5歳じゃなかった?

阿部 そうでした。これも何かの縁ですね。