10日にシャティン競馬場で行われる香港国際競走に日本馬計14頭が参戦し、国内では4レースで馬券が発売される。同地へ出張する東京・井上力心(よしきよ)、大阪・下村琴葉(ことは)の両記者が担当する連載「香港eye2023」は、きょう5日からスタート。第1回は下村記者が、大魔神こと佐々木主浩オーナー(55、日刊スポーツ評論家)を直撃。香港マイル(G1、芝1600メートル)に出走する所有馬、ディヴィーナ(牝5、友道)への思いなどを聞いた。

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-ディヴィーナの香港遠征決定時の思いは

佐々木氏 びっくりしましたね。馬の状態を見て決めようという話で、エリザベス女王杯の後も馬は大丈夫だと。母のきょうだいは海外遠征が好きな血統だったのでね。もともとマイルがいい馬だと思っていました。前走で落ち着きも出たので、面白いんじゃないかな。

-香港は18年ヴィブロス(マイル2着)以来

佐々木氏 マイルは香港勢が強いよね。前に行ける馬が勝負になるかなと思っている。ヴィブロスは後ろから行く馬だったけど、ディヴィーナは前に行けるからね。

-ディヴィーナの母ヴィルシーナやヴィブロス、シュヴァルグランは同じハルーワスウィートの子

佐々木氏 この血統は顔が小さいんだよね。顔もいい。小顔な分、鼻差で負けることもあった(笑い)。例えば、大谷翔平は顔が小さくて体が大きいじゃん。そういう感じです。

-性格は

佐々木氏 普段は落ち着いているんだけど、スイッチが入る時はめちゃめちゃ入る。ヴィルシーナもすごい気が強いよ。でも普段はおとなしい。でも競馬になるとすごい。根性があるっていうか、そういうところはディヴィーナに受け継がれているね。

-エリザベス女王杯は、母ヴィルシーナの宿敵ジェンティルドンナの娘ジェラルディーナと対戦した

佐々木氏 もっと早く対戦したかったけど、距離の違いがあったからね。G1で顔を見せられたのは良かった。香港は一緒に行きますね(ジェラルディーナはヴァーズに出走予定)。頑張って欲しい。

-意気込みを

佐々木氏 ディヴィーナらしいレースをしてくれれば。そこは友道先生とクリスチャン(・デムーロ騎手)が相談して決めると思うので、楽しみに見に行きたいと思います。

■初の海外出張、答え探します

香港出張が決まり、企画をいろいろ考えていた時、真っ先に取材したいと思ったのが佐々木オーナーだった。約15分間と短い時間だったが、どの質問にも丁寧に回答いただき、馬を大切に考えていることをひしひしと感じた。

「佐々木オーナーにとって海外競馬はどんなものか」。この質問には、このように返ってきた。「海外に行くのは初めて? じゃあ、その答えは今度分かると思うよ」。自分は今回が初の海外出張。海外競馬はテレビでしか見たことがない。オーナーが話す海外競馬の魅力-。香港の地でその答えを感じ取ってきたい。【取材後記=下村琴葉】