日曜の東京新聞杯(G3、芝1600メートル、2月4日)で、今年の飛躍を目指すマスクトディーヴァ(牝4、辻野)が4歳初戦を迎える。前走の秋華賞では3冠牝馬リバティアイランドに1馬身差まで迫る2着。春の目標であるヴィクトリアM(G1、芝1600メートル、5月12日=東京)へ向け、同じ舞台で重賞2勝目を目指す。

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今春のマイル女王の有力候補とみられているのがマスクトディーヴァだ。昨秋のパフォーマンスが衝撃的だった。秋華賞トライアルのローズS(阪神芝1800メートル)を1分43秒0のJRAレコードで快勝した。続く秋華賞では勝負どころで包まれながら、牝馬3冠がかかるリバティアイランドを1馬身差まで追い詰めた。黒川助手は「もしかしたら何とかなったかもしれない、という脚を見せてくれた」と少し悔しげに振り返る。

ただ、当時も辻野師は「奥手の馬で、本当に良くなるのは来年の春どころか、来年の秋かも」と見立てていた。そんな3歳秋のパフォーマンスに陣営は驚いたという。秋華賞後は成長を促すため、たっぷりと休養した。その効果は顕著で、黒川助手は「走っていても以前よりぶれなくなったし、バランスが良くなっている」と実感する。

今回は課題もある。「マイルのペースに戸惑うことはないと思うけど、東京は初めて。その点がどうか」と同助手。同じ東京芝1600メートルが舞台のヴィクトリアMへ向け、経験を積むための参戦でもある。ここでどんな走りを見せるか、古馬牝馬戦線を占う意味でも大事な戦いだ。【岡本光男】