第5回サウジC(G1、ダート1800メートル、24日=キングアブドゥルアジーズ)の出走馬とゲート番が決まった。連載「キナミの帝王~サウジにふたたび編」の木南友輔記者は22日、現地で取材しながら頭を悩ませる。先行激化必至の14頭立てで、ワンターンの1800メートルという特殊な舞台。展開が向くのはウシュバテソーロ(牡7、高木)だが…。

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「みんな、もっとしゃべらなきゃ」。レモンポップのハリー・スウィーニ氏(ダーレージャパン代表)は熱かった。壇上では「海外で勝ちまくる日本馬は芝の馬が多いけど、ダート馬も強いのを見せたい」と、どの陣営の関係者よりも長時間、熱弁をふるった。枠順抽選会後は「7番より外がベストだった」と正直に打ち明けたが「僕は日本人じゃない(アイルランド出身)けど、『ジャパンプライド』があるから」。JRA最優秀ダートホースは3番枠からどう立ち回るか。

展開は…。ハイペースになる可能性が高く、先行馬に厳しい。逃げ候補は(5)ホイストザゴールド、(6)アイソレート、(9)ナショナルトレジャー、(11)サウジクラウン、(1)カーメルロード、(7)レモンポップ。好位に(14)ホワイトアバリオ、(4)デルマソトガケ、(3)ディファンデッド、(10)パワーインナンバーズ、(2)クラウンプライド。後方待機が(13)ウシュバテソーロ、(12)セニョールバスカドールが想定ポジションだ。

展開は向くものの、ウシュバテソーロはコース適性という不安点が残る。「やっぱり、最初の直線、長いですねえ」。火曜朝、スタート地点近くのコース脇で高木師はつぶやいた。最初の直線が約850メートル、コーナーが約500メートル、最後の直線が約450メートルという特殊な舞台だ。ただ、木曜朝の朝食会で了徳寺健二ホールディングスの広瀬氏の力強い言葉が印象に残った。「外枠でスムーズに競馬ができるし、ペースが流れれば。追い切りはこちらの砂にフィットしていましたね」。うれしい誤算もあった。「ドバイ連覇が大目標?」と問うと「いや、当然、サウジCも勝ちたいです。ここを目標に(日本で)調子を上げてきたけど、来てみたら、想像以上に気温が低くて過ごしやすく、調整がしやすかった」。

日本時間25日未明のレースへ向け、明日24日は涙、涙の連載最終回。納得の結論を出したい。(つづく)