ドクン、ドクンか。バクン、バクンか。いつもなら聞こえないはずの胸の鼓動が今日は明確な形をもって耳まで伝わる。まるで胸の上を馬群が通るかのように、大きな音と振動が身体全体に響きわたる。馬群だけに音はバグン、バグンか。こんなどうしようもない冗談を言っておかないと緊張してしまうぐらいのビッグイベントが始まろうとしているのだ。そう、ついにこの日が、日本ダービーがやってきた。
格別で格別で格別なレース。騎手や調教師のコメントを読んでいると、その思いがひしひしと伝わってくる。競走馬にとっても一生に一度の夢舞台。私が3歳の頃、将来の夢は「ウルトラマン」か「100円ショップの店員さん」の2択だったことを考えると、弱冠3歳で多くの夢を乗せてゲートに入る競走馬の偉大さがうかがい知れる。
ということで、早速本題に入ろうと思う。今回のテーマは「ダービーに出られるってとにかくすごいこと」。では具体的にどれくらいすごいことなのか。これを頭に入れてから予想へといきたい。
まずは基本の確認から。今回ダービーの出走権が与えられたのは18頭。3歳馬7906頭の中の18頭で確率にして約0・23%。こんなに小さな数字は普段あまり見かけないものだから、これだけでもすごいと伝わるだろうが、さまざまな確率と比較することでそのすごさがより伝わってくる。
例えば夏の甲子園(全国高等学校野球選手権大会)に出場する49校に選ばれ、スタメンとして出場できる確率は約0・34%(49×9を令和5年度時点の全国の硬式野球部員数で割った場合)。他にもキングオブコントで決勝まで残る確率は約0・33%(2023年大会、棄権などは考慮しない)。スーパーで買い物をした時にお釣りの硬貨が8枚中8枚、表向きで渡される確率は約0・39%。サイコロを同時に3つ投げ、3つとも1の目が出る確率は約0・46%。ダービーに出られる確率はこれらのどれよりも低い確率だということが分かる。
では同じ確率は?というと、この文章を読んでいるあなたが『松田さん』である確率がほぼ同じだ(日本の人口は約1億2400万人で松田さんは約28万人いると言われているため)。
ダービーのすごさも少しは話すことができたので、いよいよ予想へと移りたい。
◎ジャスティンミラノを軸にする。メイショウタバルが出走取り消しとなり、展開の読みこそ難しくなったものの、前走皐月賞でレコード勝ちを決めたこの馬なら、器用に馬券圏内を確保してくれるだろう。3連複(15)1頭軸で(2)(6)(8)(11)(12)(13)。
◆シュンヤ 日刊スポーツを愛読する若き競馬予想家。12月9日、大阪生まれ大阪育ち。好きな馬はノームコア。就職試験でJRAの採用試験を受験するもあえなく撃沈し、現在は夜の仕事に励んでいる。好きなサッカー選手はリオネル・メッシ。尊敬する記者は高木一成記者(前東京本紙担当)。天皇賞・春からニッカンコムで予想を開始(初戦は外れ)。NHKマイルCは◎アスコリピチェーノからきっちりと決めたが、ヴィクトリアM、オークスと苦戦が続く。学生時代は理系の学部だった。

