27日の新潟開催からジャンプレース(障害競走)の騎手たちが新たな試みをスタートさせた。この日の新潟ジャンプSでは高田潤騎手(43)、黒岩悠騎手(40)などが頸椎(けいつい)を保護する「ネックガードプロテクター」を着用してレースに臨んだ。

騎手にとって落馬は避けようにも避けられない事故。少しでも騎手たちの安全性を高めるために、プレーヤー達は試行錯誤を重ねてきた。日本騎手クラブがネックガードプロテクター着用の承認をJRAより受けたのは先週のこと。今週より競馬での使用が始まった。

高田騎手は「頸椎(けいつい)のけがは特に多い。熊沢さん、白浜さん、僕もそうです。立て続けに落馬も起きているので、いいものがないのかと思っていました。乗馬の世界ではエアバックも使われていますが、JRAの職員さんに相談しつつやってきました」と経緯を説明した。

これまでバイク用、アメリカンフットボール用などの保護具を調教などで着用し、実際の競馬に適しているかを試してきた。実際に申請したのはボートレース用のプロテクター。重量は約70グラム。留め具の位置が工夫されている。保冷剤を入れられるタイプもあるなど、酷暑期でも不快感なく着用できるという。

世界でもなじみのない保護具の導入だ。高田騎手は26日にX(旧ツイッター)に着用画像を投稿していた。ネックガードプロテクターの幅は数センチほど。遠目から見れば目立つものではない。同騎手は22年12月3日、中山での落馬で第2頸椎(けいつい)を骨折、1年弱の休養を余儀なくされていた。同騎手は安全の重要性を今まで以上に訴えていくことで、尊い命が守られる取り組みの広がりを期待している。

「防げることはどんどん防いでいきたいと思っている。海外の競馬ではそういう面はまだ確立されていない。日本が、JRAが先頭を切って世界を引っ張っていくくらいになっていくのが理想です。ヘルメットは日本のものは優秀ですし、安全面で世界をリードしていけるようになっていければ。ネックガードプロテクターも日本、JRAが使っているからいいな、って思ってもらえたらいいですね。お金、時間もかかるけど、それを発信していくことも大事だと思います」(高田騎手)

この春の調教時には乗馬用のエアバッグの試験着用も行われていた。何よりも守られるべきは命。けがのダメージ軽減は安心安全な競馬開催を突き詰めるための大事な1歩だ。誰もが笑顔で競馬場から帰路につけるよう、ぜひ世界中に浸透していってほしい。【松田直樹】