「チーム・シンリョクカ」の勝利だ-。木幡初也騎手(29=竹内)が手綱を取るシンリョクカ(牝4、竹内)が2番手から抜け出し、重賞初制覇を果たした。勝ち時計は1分58秒0。

前走福島牝馬Sで落馬のアクシデントを経験したが、復帰初戦で管理する竹内正洋調教師(45)、由井健太郎オーナーともに重賞初タイトルを手にするメモリアルデーになった。人気を集めていたライトバックは放馬で競走除外。サマー2000シリーズ最終戦が終了し、3年連続でシリーズチャンピオンはなしとなった。

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夏の終わりを告げるレースで信じ抜く強さが輝いた。シンリョクカと木幡初騎手。同じ竹内厩舎所属の人馬は6度目のコンビだった。快速で飛ばすアリスヴェリテについて行かず、遠く離れた2番手から見ていた。「ペースが落ち着いて、この馬にもすごくいいところで走れていた」と鞍上。名物の長い直線で早めに逃げ馬を捉えると、後続の追い上げを懸命にしのぐ。内から迫るセレシオンを鼻差封じたところが待望のゴールだった。「最後は馬の力を信じて頑張るだけだった。前半の温存がある分、馬も頑張ってくれると信じていた」。普段の調教からともにする人馬が力を出し切った。

馬主も信じていた。重賞初タイトルとなった由井オーナーは「すごくうれしい。馬主免許をとって10年目になるので良かった。(木幡初騎手は)一生懸命にやってくれるし、スタートもうまいのでね。2戦目(リバティアイランドが勝った阪神JF)で2着を取って賞金を加算してくれたから、こうやって使えているから、頼むなら彼しかいない」と手綱を任していた。

最後は竹内師だ。管理馬、弟子の重賞初V、そして厩舎としても初V。忘れられない夏の思い出だ。師は「シンリョクカでね。初也でね」と相好を崩す。さらに前走落馬のアクシデントから復調を示した人馬に「1発目から答えを出してくれた。まだ上積みがあると思う」。状態に問題がなければエリザベス女王杯(G1、芝2200メートル、11月10日=京都)直行をかかげる。もちろんコンビは継続だ。「オーナーが許す限りこれからも乗せます」。力強い師の言葉だった。天高く馬肥ゆる秋。夏に飛躍を遂げたチーム・シンリョクカが充実の秋に向かっていく。【舟元祐二】

◆シンリョクカ ▽父 サトノダイヤモンド▽母 レイカーラ(キングカメハメハ)▽牝4▽馬主 由井健太郎▽調教師 竹内正洋(美浦)▽生産者 下河辺牧場(北海道日高町)▽戦績 10戦2勝▽総獲得賞金 1億138万8000円▽馬名の由来 心力歌

◆牝馬による勝利 13年コスモネモシン以来11年ぶりの勝利で、通算18勝。牡馬は40勝、せん馬は2勝。なお関東馬は昨年ノッキングポイントに続く勝利で関東馬42勝、関西馬18勝となった。