日本初から世界初へ。9年目の“新名手”坂井瑠星騎手(27=矢作)が欧米制圧に挑む。今週10月6日の凱旋門賞(G1、芝2400メートル、仏パリロンシャン)で、日本代表シンエンペラー(牡3、矢作)とともに日本競馬界の悲願に挑む。11月2日のBCクラシック(G1、ダート2000メートル、米デルマー)には僚馬フォーエバーヤング(牡3)でチャレンジ。芝&ダートの頂上決戦ダブル制覇を達成すれば、騎手としては世界2人目で、同一年なら前人未到の快挙となる。単独インタビューで思いを語った。【取材・構成=太田尚樹】
◇ ◇ ◇
-今秋は凱旋門賞(シンエンペラー)でもBCクラシック(フォーエバーヤング)でも有力馬に騎乗する
ワクワクと同時に、責任も感じています。こういうビッグレースに毎回名前がある騎手になるのが目標なので、本当にありがたいことです。
-ともに藤田晋オーナーの所有馬で挑む
感謝しかないので、結果で応えたいのが一番ですね。
-シンエンペラーは前走の愛チャンピオンSで3着に好走した
まだ良くなっている段階で「ここを使って良くなってくれるかな」と思っていたんですが、想像以上の走りでした。うれしい誤算でしたね。もちろん勝ちにはいきましたけど(当時の)状態を考えたら「次に向けていい内容で走れたら」と思っていましたので。
-凱旋門賞馬ソットサスの全弟で、以前から欧州の馬場への適性を見込まれていたが、実際に走ってみての感触は
当日のレパーズタウンは日本の馬場みたいに硬かったので、パリロンシャンとは全然違うと思います。あとは当日の馬場ですね。もちろん雨は降らない方がいいです。
-愛チャンピオンSの翌日にはパリロンシャンで凱旋門賞トライアル3レースを観戦した
トライアルでペースも遅いですし、少頭数なので参考にはならないと思います。本番は違うレースになるので。ただ、1、2番人気になりそうなライバル馬を間近で見られたのはよかったです。
-今年の凱旋門賞にも参戦する武豊騎手は、どのような存在か
雲の上の存在ですね。僕が生まれる前から乗っていてトップにいましたから。レースになればライバルというか敵になりますし(自分の)やることは同じですけど、凱旋門賞で一緒なのは心強いです。(21、22年に凱旋門賞当日のG1フォレ賞に騎乗しており)初めてではないですけど、1人ではさみしいですからね(笑い)。
-自身にとって凱旋門賞とは
僕にとってというか、ホースマンの夢なので。ビッグレースはどれも勝ちたいですけど、周りからも言われますし、やっぱり特別なレースだと特に思います。勝ったら日本人初になるので、そこはとりたいです。(師匠の)矢作先生の夢でもありますから。
◆坂井瑠星(さかい・りゅうせい)1997年(平9)5月31日、東京都生まれ。16年3月に矢作厩舎所属でデビュー。17年11月からオーストラリアで1年1カ月の武者修行へ。22年秋華賞をスタニングローズで制してJRA・G1初制覇。昨年には自身初のJRA年間100勝を突破。同通算493勝(重賞17勝、うちG1・5勝)。170センチ、48キロ。
◆芝&ダートの頂上決戦ダブル制覇 創設は凱旋門賞が1920年、BCクラシックが84年。イタリア出身のL・デットーリ騎手は、凱旋門賞を95年ラムタラで初制覇し、歴代最多6勝を誇る。BCクラシックは08年(オールウェザーコースで開催)に英国馬レイヴンズパスで制し、世界初のダブル制覇を果たした。01年には同年の凱旋門賞馬サキーでBCクラシックに挑んだが、鼻差の2着に惜敗した。

