最低気温11度と冷え込んだシャンティイで、ホットな言葉を耳にした。
僕自身6度目となる凱旋門賞取材を拝命して、前日29日にフランスへ降り立った。毎年のように日本馬の悲願を阻んできたのが重い馬場。多くのホースマンが「日本の道悪とはレベルが違う」と天を仰いだ。
今週末の天気予報は雨模様となっている。この時季は梅雨のように天気がぐずつく。もし降らなくても、朝露で芝がぬれるため、乾いた良馬場は望めない。
そんな中で日本代表シンエンペラーの調教に携わる岡助手から耳寄りな話を聞けた。併走馬をぶっちぎった1週前追い切りで、秘めたる道悪適性が見えてきたという。
「あの重い馬場で走ってくれたのはよかったです。こなせたのはプラス。むしろ『少しぐらい降ってくれた方がいいのでは』と思えたぐらい。もう言い訳にできないかもしれませんね」
先週は雨が多く、当日のエーグル調教場の芝コースもぬかるんでいたという。それでいて、あのパフォーマンスだ。またがったC・デムーロ騎手も「重い馬場も大丈夫だと思います」とコメントしていた。これは頼もしい。振り返れば、全兄ソットサスも20年に重馬場の凱旋門賞を制している。
以前には、てるてる坊主を持ち込んで日本馬陣営へ差し入れしたこともある。今年も雨予報を見た時はとても歓迎できなかったが、悲観する必要はないのかもしれない。ますます楽しみになってきた。【太田尚樹】

