藤田菜七子騎手(27=根本)が10日にJRAに対して引退届を提出したことが分かった。師匠である根本康広師が11日、明らかにした。「私と一緒に、私の万年筆で書きました」。

藤田騎手は23年4月ごろまで複数回にわたり、調整ルーム居室内に通信機器(スマートフォン)を持ち込み、通信していたことが判明。JRAの騎手として重大な非行があったものと認められるため、10日に騎乗停止処分が発表されていた。

同騎手は16年ぶりに誕生したJRA生え抜きの女性ジョッキーとして注目を浴びてきた。さまざまな記録を更新。競馬場には多くのファンが詰めかけ、「菜七子フィーバー」が起きた。19年のカペラS(コパノキッキング)で重賞競走初勝利を果たし、海外の招待競走にも積極的に参戦。パイオニアである藤田騎手の存在が女性に対する門戸を広げ、19年3月には女性騎手の騎乗機会拡大を目的とした減量制度もJRAに新設された。

今年7月10日にはJRA職員(20代男性)との結婚を発表。「今後も現役を続けますし、より一層競馬に精進してまいります」「ジョッキーとしてもっともっと頑張らなきゃいけないし、成し遂げていないことがたくさんあります」と心境を語っていた。

◆藤田菜七子(ふじた・ななこ) 1997年(平9)8月9日、茨城県守谷市生まれ。小学校6年生の時にテレビの競馬中継を観戦し、騎手を志した。13年4月にJRA競馬学校(32期生)へ入学し、16年2月に卒業。師匠はダービージョッキーの根本康広調教師。座右の銘は正々堂々。デビュー2年目の17年には年間14勝でJRA女性騎手の年間最多勝記録を20年ぶりに更新。日刊スポーツ新聞社制定の中央競馬騎手年間ホープ賞に輝く。19年6月にスウェーデンで行われた女性ジョッキーワールドカップで総合優勝。同年に英国の騎手招待競走「シャーガーC」に選出され、今年は2度目の出場を果たした。10日現在、JRA通算3897戦166勝。