“珍3冠馬”誕生へ-。レーベンスティール(牡5、田中博)が、今年初戦のAJCC(G2、芝2200メートル、26日=中山)へ向け最終追い切りを行った。同馬は23年にセントライト記念、24年にオールカマーを制しており、史上初の「中山2200メートルG2戦3冠制覇」の記録がかかる。前走天皇賞・秋8着後は課題だった操縦性の改善に着手。得意コースで進化した姿を見せる。
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悔しさをばねに-。重賞連勝で天皇賞・秋に挑んだレーベンスティールは、展開、枠順などかみ合わず8着。G1の壁にはね返された。当該週では美浦ウッドで6ハロン77秒5という破格の時計を計時。しかしこれは操縦性の難しさが影響し、意図したものより1秒5ほど速くなったものだった。「調教内容は評価できるものではなかった。厩舎、騎手にとっても不安のある中での出走だった」と田中博師は当時を振り返る。その後は厩舎一丸で課題克服に着手し続けた。
努力が実りつつある。最終追い切りは美浦ウッドの3頭併せで6ハロン80秒6-11秒2(馬なり)。前走時より遅めの時計だが「追い切りは時計がすべてじゃない」と中身のある内容にこだわった。外ウェットシーズン(古馬2勝クラス)と中プリティディーヴァ(3歳オープン)を追走。道中はしっかりと折り合い、直線入り口ではスッと反応して併入した。師は「先週からようやく我慢が利くようになって、フォームも改善された。完全に不安が払拭できてはいないが、これなら本番でも」と満足げな表情を見せた。
実績あるコースで主役は譲れない。今回は“中山2200メートルのG2・3冠制覇”という史上初の記録もかかる。昨年のダービー馬など強豪集うフルゲートの戦い。指揮官は「(舞台は)決してベストではない。それでも今まで2戦とも強い勝ち方をしている。だから本当に力があるのでしょうね。ここも恥ずかしくない競馬を」と力を込める。再び最高峰への挑戦に向けて-。“中山の大帝”にとって珍記録の達成は、その先の栄光へ向けた、単なる足掛かりに過ぎない。【深田雄智】
◆中山2200メートルG2マイスター 同舞台の重賞は1月のAJCC、9月のセントライト記念とオールカマーの3つ。最多勝はマツリダゴッホの4勝(オールカマー3勝とAJCC1勝)。2位はローゼンカバリーやホワイトストーンなど6頭が2勝で並ぶ。レーベンスティールは今回勝利すれば、単独2位の3勝目と史上初の3競走制覇がかかる。
◆前年度オールカマー覇者 グレード制導入の84年以降4頭参戦し、14年ヴェルデグリーン(2番人気)が勝利している。その他は94年ツインターボが3番人気6着、02年エアスマップが1番人気9着、20年スティッフェリオが3番人気8着。

