得意舞台で完全復活だ-。未完の大器レーベンスティール(牡5、田中博)が逃げるホウオウビスケッツを差し切り、重賞4勝目を手にした。勝ちタイムは1分44秒0。津村明秀騎手(39=フリー)は重賞21勝目で“G2競走初勝利”の珍記録。今後は天皇賞・秋(G1、芝2000メートル、11月2日=東京)や登録済みのバーレーンインターナショナルT(G2、芝2000メートル、11月14日=バーレーン・サヒール)などが視野に入る。

   ◇   ◇   ◇

開幕週のきれいに生えそろった芝の上でレーベンスティールが躍動した。自慢の雄大なフットワークを伸ばし、のびのびと気持ち良く走り抜けた。

ハイペースで流れ、コンビを組む津村騎手とも息はぴったり。前を射程に抜群の手応えのまま直線を迎え、逃げるホウオウビスケッツにジワジワと迫ると、ゴール前でスパッと差し切った。昨年の新潟大賞典11着以来のコンビだった津村騎手は当時の悔しさを晴らす勝利を喜んだ。「この馬と悔しい思いをしていたので何とか結果を出したいと思っていた。成長を感じたしスタッフの方もいろいろ工夫してくれて、厩舎の力だと思います」。再び重賞ウイナーに導いた陣営の努力をたたえた。

G1級の器と評される同馬もここ3戦は続けて掲示板外に沈んでいた。巻き返しを図るべく、調教にめりはりをつけてきた。最終追い切りは馬の状態を見極めた上で併せ馬ではなく、リズム重視の単走。負荷を掛けながら、よりよい精神状態でレースに出走できるよう工夫を凝らした。調教を付ける穂刈助手も「ホッとしました。うれしいですね」と喜びもひとしお。「結果が出て今後の調教にも自信が付きました。もっとやれることは何かを考える。(田中博)調教師は常にそうやっています」。チーム一丸となり高い意識で取り組んできたことが実を結んだ勝利でもあった。

好メンバーがそろったハイレベルなG2を制し、今後はG1も含めた大舞台が視野に入る。鞍上は「G1の舞台でも活躍できる馬だと思う」と太鼓判を押す。悲願のG1制覇をたぐり寄せる堂々たる勝利を開幕週の府中に刻んだ。【井上力心】

◆レーベンスティール▽父 リアルスティール▽母 トウカイライフ(トウカイテイオー)▽牡4▽馬主 (有)キャロットファーム▽調教師 田中博康(美浦)▽生産者 広富牧場(北海道日高町)▽戦績 14戦6勝(うち海外1戦0勝)▽総獲得賞金 2億6354万4000円(うち海外0円)▽馬名の由来 生き様(独)。父名、母名より連想。生き様で魅了する馬になるように