笑いあり、涙あり。胸に響くセレモニーだった。

藤岡佑介調教師(39)が先週2月28日に騎手としての引退式を終えた。

「生まれ変わっても“一緒に”ジョッキーになりたいと思います」

涙を流しながら語った思いが何よりも印象的だったが、そのインタビューの中で、もう1つ心に残る言葉があった。

「本当に楽しくジョッキーという仕事を続けてこられたので、しっかりと気持ちを切り替えて、また明日からは調教師として皆さんに応援していただけるような競走馬、それからジョッキーを育てられるようなチームをしっかりとつくり上げていきたいと思います」

ジョッキーを育てる-。

調教師としての抱負で、そんなフレーズを聞くのは新鮮だった。振り返れば、昨年12月の合格会見でも同様の意気込みを口にしていた。

引退式直後の囲み取材で、その胸中に触れる場面があった。

「ユタカさん(武豊騎手)からも『いいジョッキーを育ててくれ』と言われたので」

現役の時から後輩騎手に慕われてきた。そして、これからは調教師だからこそできる教育もある。

どのように競走馬を育てるのか。そして、どのように騎手を育てるのか。ホースマン人生の次章も楽しみにしている。【太田尚樹】