競馬界で通訳・レースホースコーディネーターとして活躍し、日本馬初のBC競走制覇、日本馬初のBCクラシック制覇など歴史的な瞬間に立ち会ってきた安藤裕氏(46)から今週も日刊スポーツにコラムが届きました。先週はケンタッキーダービーの行われたチャーチルダウンズ競馬場に帯同しました。
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こんにちは。今回は、先週アメリカのチャーチルダウンズ競馬場で行われたケンタッキーダービーについてお話ししたいと思います。
先週のコラムでもお伝えしましたが、今回は高柳大厩舎のサポートで同行しました。高柳先生と私にとっては2年ぶりのケンタッキーダービーでした。2年前は、前日の雨の影響でレース当日は蒸し暑く湿った馬場でしたが、今年は非常に寒かったものの好天に恵まれました。一瞬雨粒が落ちましたが何とか天気が持ってくれたことで、非常に良い馬場コンディションでレース出来たのは、ケンタッキーダービーとしても久しぶりだったと思います。
そんな中、ケンタッキーダービーの前に行われたチャーチルダウンズSではテーオーエルビスが見事勝利。高柳大厩舎として初海外G1レース制覇と、日本馬にとって初めてのアメリカ短距離G1レース制覇という偉業を達成しました。出走メンバーが非常に強力でしたが、圧勝だったので秋のブリーダーズカップスプリントへ向けて非常に自信になる内容でした。今回の勝利でアメリカ競馬界にとって間違いなく驚異的な存在になったと思いますし、今後のダートスプリント界の世界的中心馬になったと感じます。
そして、喜びの余韻に浸る間もなく、ワンダーディーンと共にケンタッキーダービーに向かいました。私の経験の中で、世界一の競馬場の雰囲気のなか、チームワンダーディーンは緊張にのみ込まれることもなく、全員が落ち着いた中でレースに挑戦することができました。結果としては8着に敗れてしまいましたが、例年通りの厳しい先行争いの中で、他馬との接触も多かったですがけがなくレースを終えられたことは良かったです。今回の結果だけではアメリカの馬場が合わないとは判断できないと思うで、ぜひこの秋にアメリカへ再チャレンジして欲しいと願います。ここまで、約3カ月の中でサウジアラビア、ドバイ、米国と走り続けたタフさは本当にすごいと思いますし、今後の活躍にも期待したいです。ワンダーディーンとテーオーエルビスは今日の午後には日本へ帰国します。皆様、ここまで応援をありがとうございました。引き続き、秋も応援のほどよろしくお願いします。
最後に、ディー騎手は日曜日に3勝をあげることが出来て、中でもダービートライアルのプリンシパルSをメイショウハチコウで勝利し、日本ダービーへの挑戦権を自分自身の力で手に入れることが出来たのはすごくうれしいです。本番も自信を持って挑戦出来たらと思いますし、何とかダービーまで人馬が無事に向かえればと思います。今週も応援のほどよろしくお願いします。【レースホースコーディネーター】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「安藤裕のハッピー(馬)ダイアリー」)
◆安藤裕(あんどう・ひろし)1979年(昭54)10月19日、東京都生まれ。98年に渡英し、ゴスデン厩舎で馬の基礎を学ぶ。その後は騎手として北米などで騎乗した。ケガで引退後はプロ野球の通訳を経て、11年に株式会社FELESを設立。調教情報の管理システムを取り扱うほか、外国人騎手の通訳や海外に遠征する日本馬のサポートなど幅広く活躍中。

