ハードル界の絶対王者が歴史を作った-。JRAは15日、中央競馬の発展に特に貢献があった馬をたたえる26年度の顕彰馬記者投票の結果を発表し、障害G1・9勝のオジュウチョウサン(牡15)が史上39頭目の顕彰馬に選出された。157票中136票で得票率は86・6%。資格3年目での選出で、障害競走の馬では85年(昭和60)のグランドマーチス以来2頭目の快挙となった。また、今年3月に定年引退し、厩務員に転身した国枝栄元調教師(71)が調教師として13人目、現調教師の蛯名正義元騎手(57)が騎手として8人目の顕彰者に選出された。

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オジュウチョウサンが3度目の挑戦で、殿堂入りを決めた。得票率75・0%以上が必要でおととしは58・0%(102票)、昨年は74・1%(119票)とわずか2票で涙をのんだ。今年は86・6%でクリア。長山尚義代表は「この栄誉はこれまで支えてくださった和田正一郎厩舎の皆さま、石神深一騎手をはじめ携わってくださった全ての関係者の皆さま、そして何よりアイドル並みに熱狂的な温かいご声援を送ってくださったファンの皆さまのおかげです。心より感謝申し上げます」とかみしめた。

記録にも記憶にも残る現役生活だった。13年10月に平地でデビューし2戦未勝利で障害へ転向。15年2月の4戦目で初勝利を挙げた。その後石神深一元騎手を主戦に迎え、16年中山グランドJで重賞&G1初制覇。障害G1は年2回だが、5連覇(16~20年)を含む中山グランドJ6勝、中山大障害3勝で計9勝。史上最多の障害重賞15勝、5度の最優秀障害馬を獲得し、「絶対王者」とたたえられた。18年7月には平地へ再挑戦。武豊騎手を背に1勝クラス、2勝クラスを連勝。有馬記念にファン投票3位で参戦し、5番人気9着だった。22年中山大障害6着を最後に、ハードルへ別れを告げた。

現役引退後は北海道日高町のヴェルサイユリゾートファームで種牡馬生活を送る。種付け初年度の23年は8頭に種付けを行い、4頭が血統登録。初年度産駒は今年デビュー予定で、タクミオジュウ(牡、小島)が現在美浦トレセンで調整を行っている。長山オーナーは「オジュウチョウサンがつないだ夢が次の世代へ受け継がれ、新たな歴史を刻んでくれることを楽しみにしています」と産駒の活躍を心待ちにしている。障害競走の馬として初めてJRAが製作したヒーロー列伝ポスターのキャッチコピーのように、「超えていく王者」がファンの声援に後押しされ、殿堂の扉をこじ開けた。【桑原幹久】

◆オジュウチョウサン▽父 ステイゴールド▽母 シャドウシルエット(シンボリクリスエス)▽牡11▽馬主 (株)チョウサン▽調教師 和田正一郎(美浦)▽生産者 坂東牧場(北海道平取町)▽戦績 40戦20勝(うち平地8戦2勝)▽総収得賞金 9億4137万7000円(うち平地2592万円)▽主な勝ち鞍 16~20年、22年中山グランドJ(J・G1)16、17、21年中山大障害(J・G1)16、17年東京ハイジャンプ(J・G2)17、19、20年阪神スプリングJ(J・G2)、16年東京ジャンプS(J・G3)▽馬名の由来 家族名より+冠名