阪神にとってはもったいない引き分けだったね。8回はマルテの本塁打でよく追いついたんだが、その前に岩崎が失点した場面は反省すべき点で、今後の課題が浮き彫りになったともいえるだろうね。

8回表。まず村上を見逃し三振にとったのはボール気味で助けられた。オスナに左前打と犠打で2死二塁。7番サンタナの1ストライクからの真っすぐを打たれて佐藤輝の頭上を越える二塁打になった。

サンタナを申告敬遠で一塁に歩かせても、次は代打が出てきていた。岩崎を代えることはなかったから勝負にいくわけだが、梅野の構えたところから中に入ったところを打ち返された。

球持ちが良く、制球力に磨きがかかったタイプだが、本来の岩崎らしい粘りがないのが気掛かりな失投だった。スアレスが好調を持続しているだけに、そこにつなぐまでのリリーフの人選、継投は今後のポイントになってくる。

その点、7回1死二塁からリリーフした及川の好投は明るい材料だ。26日DeNA戦で桑原に中越え本塁打を浴びてから初めての登板だっただけに大事だった。特に青木を見逃し三振に仕留めた真っすぐは光った。

アルカンタラが4回に村上に浴びた右越え本塁打も失投だ。せっかく高めを駆使して1-2まで追い込んだ梅野が外寄り低めに構えてフォークを要求し、振らせにかかっている配球の意図を察知しないといけなかった。

打線はつながりを欠いている。4番サンズ、5番佐藤輝がそれぞれ3三振では得点には結びつかない。メンバーの入れ替えがあるとしたらショートぐらいで、それ以外はこの顔ぶれで戦うしかない。

快進撃のときのような戦いを展開するのは難しくなってきた。巨人が忍び寄ってきたのも気味が悪い。ここは我慢強く戦い続けることだ。(日刊スポーツ評論家)