鈴木誠也選手の大リーグ挑戦を応援したい。現役、指導者時代を通じてこれまで多くの選手を見てきたがまさにホップ・ステップ・ジャンプというように1年ごとに伸びていく選手は誠也以外に見たことがない。監督時代、その活躍で「神ってる」と言ったが、本当に3連覇をもたらす力になってくれた。

高校時代はエースで4番だった。実際、大谷のように「二刀流」すら可能なレベルの選手だと思っていた。それはできなかったけれど打者としては大谷を超え、メジャーで本塁打王を獲得してほしい。そう願っているし、事実、誠也ならできると思っている。

技術、力もそうだがあんなに負けず嫌いな選手を見たこともない。4番にして、苦しい時期もあっただろうが一切、泣き言は言わなかった。同時に人の話を聞く柔軟性も持っている。結果が出なくてベンチで暴れたとき「裏でやれ。子どもも見てる」と指導したら、すぐに理解し、そんな様子は見せなくなった。

移籍が実現すればカープとしては寂しくなるかもしれない。しかし誰かが抜ければ誰かが出てくるのがカープの伝統。チームとしてのピンチを若い選手でチャンスに変えていってほしい。(日刊スポーツ評論家)

巨人対広島 4回表広島1死二塁、会沢の適時打で生還した鈴木を出迎える緒方監督(中央)(2019年5月24日撮影)
巨人対広島 4回表広島1死二塁、会沢の適時打で生還した鈴木を出迎える緒方監督(中央)(2019年5月24日撮影)