<広島0-5阪神>◇5日◇マツダスタジアム

阪神の85年日本一の守護神で、05年のリーグ優勝時には投手コーチを務めた中西清起氏(60)がゲームをチェック。7回を5安打無失点に抑え、現役ドラフトでの移籍後、4戦4勝を飾った大竹耕太郎投手(27)の快投の理由を分析しました。【聞き手=松井清員】

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大竹がまた抜群の投球を見せた。相手に自分のスイングをさせない最大の特長は制球と緩急だ。登板4試合24回2/3で四球1個の数字が示すように、打者の左右を問わず、内でも外でも、ボール半個分を出し入れできるコントロールが素晴らしい。真っすぐは140キロ台前半だが、100キロ台のカーブも交えた約30キロの緩急を駆使してタイミングを外す。この日の21アウト中、打者が天を仰いだフライアウトが14個。三振は2個でも打たせて取る投球が光り、全く危なげなかった。

投球のうまさ、高度な“頭球術”がある。フォームはただでさえ球の出どころが見えにくい。同じ腕の振りでフォーク、チェンジアップ、スライダー、ツーシームなど多彩な変化球がくるから、広島打線は何を狙っていいか分からない感じだった。初回のピンチは逆に相手の走塁死を引き出すほどじっくり時間をかけ、タイミングを合わされそうと感じた時はクイックで投げたり、鋭い嗅覚でつけ入るスキを与えなかった。投手層の厚かったソフトバンクではチャンスに恵まれなかったが、新天地で持ち味を最大限に発揮している。

昨年防御率がリーグ1位と2位だった本来の柱、青柳と西勇の調子が上がらない。でも昨年阪神にいなかった大竹と村上の奮闘で、チームは貯金5の2位という位置につけられている。