阪神の連勝が3で止まった。0-0で進んだ7回。先発の村上頌樹投手(24)が先頭のサンタナに142キロの真っすぐを左中間席に運ばれ、均衡を破られた。

打線は先発の新人吉村らを打てず、今季2度目の完封負け。広島3連覇監督で日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(54)が1発に泣いた村上の投球を解説した。

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好投しても、たった1つの失投で勝敗の行方が決まる。これが勝負の怖さだ。村上はそれを痛感したのではないか。7回、サンタナに浴びた1発。カウント2-2から、捕手は外角に構えたが、真ん中やや内よりの直球。本人も本塁打警戒の意識はあったと思うが、あまり見られなかった「逆球」をとらえられた。

これまで先発した3試合と比べて、気になる点があった。それは2ストライクに追い込んでから、力を入れた1球が高めに抜ける場面が何度か見られた。ただ、スピンが効いていたので、空振りやポップフライなど球の力で抑え込み、失投ではない投球になっていた。しかしサンタナへの1球は高めに浮かなかったが、コースが逆球になった。しかも2回の第1打席は同じコースを左前に痛打されていた。サンタナ自身もそのイメージのスイングで、会心の当たりになった。高めに浮いていれば、空振りしていたかもしれないが、この日は球数も多めで、7回という踏ん張りどころの難しさもあっただろう。

もちろん村上は責められるはずもない。敗れたとはいえ、7回1失点で素晴らしい内容だった。ストレートは、ベース板の上で伸びがある。ヤクルト打線は上り調子で、1度対戦していたが、村上は上回っていた。特筆すべきは、セットポジションでの投球だ。普通は走者を気にして、球威が落ちたり、コントロールが乱れるが、村上にはそれがない。走者を出して腕を振って、投げ切れるところが、安定感を生む。無失点のイニングを伸ばしてきた理由だろう。今回は本人にとって、いい経験になったはず。今後も大いに期待できる。

打線は序盤からファーストストライクを打ちにいった。先発吉村とは3度目の対戦ということもあり、ある程度、狙い球を絞り、積極的にいく、チームの意図を感じた。しかし吉村は状態がよく、序盤は変化球主体。独特のカーブと、武器である2種類のスライダーを効果的に使った。2巡目からはストレート主体に組み立てを変えたこともあり、阪神打線は絞りきれなかったのかもしれない。チャンスで1本出なかったというところが敗因につながった。(日刊スポーツ評論家)

阪神対ヤクルト 7回表ヤクルト無死、岡田監督(右から3人目)はサンタナ(手前右)に先制の左中間越え本塁打を被弾し落胆する(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 7回表ヤクルト無死、岡田監督(右から3人目)はサンタナ(手前右)に先制の左中間越え本塁打を被弾し落胆する(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 7回表ヤクルト無死、阪神村上(右)はヤクルトサンタナ(左)に左中間越え本塁打を放たれる(撮影・石井愛子)
阪神対ヤクルト 7回表ヤクルト無死、阪神村上(右)はヤクルトサンタナ(左)に左中間越え本塁打を放たれる(撮影・石井愛子)
阪神対ヤクルト 7回、無失点が途切れた村上はベンチに戻り安藤コーチと話す(撮影・前岡正明)
阪神対ヤクルト 7回、無失点が途切れた村上はベンチに戻り安藤コーチと話す(撮影・前岡正明)
阪神対ヤクルト 7回、サンタナに左中間越え本塁打を浴び、連続無失点が31でストップしベンチで悔しがる阪神村上(左から2人目)(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 7回、サンタナに左中間越え本塁打を浴び、連続無失点が31でストップしベンチで悔しがる阪神村上(左から2人目)(撮影・上山淳一)