阪神は、楽天、日本ハム、オリックスと3カード連続で“頭”を取れなかった。勝つ術は山本攻略に尽きたが、やはり簡単ではなかった。
山田 阪神が勝つには、先に点を取って逃げ込めるかどうかだった。一方のオリックスは「DH」が使えず苦しかったから、由伸(山本)が最少失点で逃げ切ることが求められた。山本の投球は、ずっと見ている中でも、これほどストライク、ボールがばらつくのは珍しかった。それでもセ・リーグではお目にかかれない、日本球界トップのピッチャーだけに、本調子ではないとはいえチャンスは少なかった。
阪神が得点圏に走者を進めたのは7回が初めてだった。しかも、前川死球、渡辺諒が敵失でつながり、坂本の三安での2死満塁だったが、後続の木浪が遊ゴロだった。山本には8回を2安打で封じられた。
山田 山本に対した阪神の各打者はバッター有利のカウントになっても、そこから平行カウントに整えられたり、追い込まれてしまう場面が目についた。逆に山本という投手は、困ったときに“逃げる”ことのできる球種をもっているのが強みだ。つまりカーブ、スプリットでかわすことができた。ラストイニングになった8回にも、ギアを上げて156キロのストレートを含む全球種を見せつけるわけだから、さすがだった。
一方の阪神先発の村上頌樹は1点ビハインドの7回1死、6番ゴンザレスに2-2からのストレートを右越えソロ本塁打にされた。
山田 村上は上々の投球だった。ゴンザレスに投じたストレートはいつもならカット気味に入ってくるはずが、逆にシュート回転したところをとらえられてしまった。1、2番から“らしさ”が見えない阪神だが、オリックス、ソフトバンク6連戦は少なくとも五分で乗り切りたい。【取材・構成=寺尾博和編集委員】




