阪神が広島との首位攻防3連戦の初戦に競り負け、首位から陥落した。7回に同点に追いついたが、9回に守護神の岩崎優投手(33)がまさかの2失点で今季2敗目を喫した。日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(43)は9回表2死二塁、広島の二塁走者・大盛が外野前進守備の中前打で本塁生還した場面に注目。「この日に限れば走力の差が勝敗を分けた」と振り返った。【聞き手=佐井陽介】
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同点で迎えた9回表2死二塁。広島の二塁走者、大盛選手の走塁には驚かされました。絶対に勝ち越し点を与えたくない場面。外野は当然、前進守備です。ここでモンテロ選手は弾丸ライナーで正面への中前打。本来ならばホーム生還を狙える打球ではないはずなのに、大盛選手は迷わず三塁ベースを蹴りました。そして間一髪のタイミングで決勝のホームイン。文句のつけようがない好走塁でした。
誤解のないように前置きしておきます。阪神のカットプレーは責められません。中堅・近本選手は打球に差されながら素早く二塁・中野選手に送球。中野選手も無駄なステップなく本塁送球しています。油断はありませんでした。それなのにホームに生還したのだから、大盛選手の第2リードと打球判断が上回ったと脱帽するしかありません。
ここからは推測ですが、広島ベンチはあらかじめ代走起用する前、大盛選手に「二塁走者で外野に安打が飛んだら勝負しろ」と指示を出していたのではないでしょうか。それぐらい迷いを感じなかった好走塁。この試合に限れば、走力の差が勝敗を分けたと表現しても過言ではないでしょう。
阪神は同点に追いついた直後の7回裏1死一、三塁、代打楠本選手の一ゴロが併殺となり、押せ押せムードがしぼみました。一塁線のゴロをさばいたモンテロ選手がベースを踏んで本塁送球。三塁走者の前川選手が三本間に挟まれタッチアウトになったのですが、少し中途半端な走塁にも映りました。
二遊間は前進守備を敷いていなかった場面。もしベンチの指示が「ゴロゴー」であれば迷わずスタートを切り、アウトになるにしても本塁ベース上でタッチされなければなりません。「一、三塁へのゴロは自重」ならば、すぐに戻って2死での好機継続を狙う必要がありました。
阪神は前夜のDeNA戦でも二塁走者の森下選手が判断ミスとなるタッチアップで流れを止めています。これから首位争いを優位に進めていくためにも、今まで以上に細かな走塁への意識を高めていってほしいところです。(日刊スポーツ評論家)




