ヤクルトの浦添キャンプをサポートしている元ソフトボール女子日本代表の永吉理恵さん
ヤクルトの浦添キャンプをサポートしている元ソフトボール女子日本代表の永吉理恵さん

ヤクルトの浦添キャンプをサポートしている女性がいる。元ソフトボール女子の日本代表の永吉理恵さん(31)だ。

室内練習場で、選手やスタッフの方々の動きを見ている永吉さん。細やかな気配りで、声がかかる前に1歩先の行動を心がけていることがよく分かる。選手の要望に応えて打撃マシンの準備をしたり、ネットを用意したり。球技をしていたからこそ、できることなのだと思う。

現在は、出身地の福岡県在住。ソフトボールを通じて知り合った沖縄出身の先輩に紹介され、今年初めてキャンプの手伝いに参加した。ヤクルトは早出練習が午前8時半から始まり、夜間練習が終わるのは午後7時ごろ。「プロ野球選手を間近で見て、こんなに練習していることに驚きました。へとへとになるまで、やっているんだなあと。あと、いろいろな(練習法の)タイプの選手がいるんだなとか、そういう選手目線で見てしまいます」と話していた。

ティー打撃を行う選手の姿も、チェックする。軽いプラスチックの小さなボールを打つ練習方法を見て「私も打ってみたかったなと思います」と笑った。

友人に誘われ、中学でソフトボール部に入ったことが出合いのきっかけだった。強豪筑陽学園から社会人の日本リーグ1部レオパレス21やデンソーで外野手としてプレー。09~14年の間に、日本代表にも入り世界大会も経験した。15年シーズンで現役を引退し、昨年は大垣ミナモのソフトボールチームのコーチを務めた。スポーツとともに歩んできた人生。「人とのつながりがあって、やってこられました」と感謝する。

今、興味を持っているのはパラスポーツ。「自分は、今まで回りのサポートのおかげでやってこられたことが原点。リオパラリンピックでトレーナーを務めた方が知り合いで、話を聞いた時に『ウエートトレーニング1つでも、健常者の何倍もの時間がかかる。でも、サポートする人材が少ない』と聞いた」という。さっそく行動に移し、障がい者スポーツ指導員資格の初級を取得した。20年には東京オリンピック(五輪)が開催され「パラスポーツの波がくると思う。時間がある時も、少しでも何か手伝えたらと思っています」。選手の経験があるからこそ分かること、できることを、還元していくつもりだ。【ヤクルト担当 保坂恭子】