プロ野球番記者コラム

佐々木朗希サイン待ちの列に横入りする大人たち

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ロッテのドラフト1位、佐々木朗希投手(18=大船渡)が24日、ロッテ浦和球場での新人合同自主トレ後に、自身初の「単独即席サイン会」を行った。35分間で、待っていた164人全員にサイン。終了後にはファンたちから自然発生的に温かな拍手が生まれた。

24日、ファンにサインするロッテ佐々木朗
24日、ファンにサインするロッテ佐々木朗

「時間がある時は積極的にやっていきたい」の言葉を実行した。サインをめぐっては、驚かされることも多かったはずだ。11日のZOZOマリンでの即席サイン会後には、自身のサインが即座にネットオークションに出品された。8日の入寮時、地元・岩手の新幹線の駅にさえ、サインを求める男性たちが待っていたことが目撃されている。

それでもロッテの他の新人選手たちとともに、ファン対応を丁寧に続ける。サインを書き、渡す時は相手の目をしっかり見つめる。応援の言葉を掛けられたら、しっかりと御礼を返す。164人と接し、誰に対しても気を抜かなかった。疲れ切った練習後に、だ。

24日には“神対応”もあった。160人目に女性ファンからスマートフォンカバーへのサインを求められた。しかしペンが水性でうまく書けない。女性が困っていると、佐々木朗は自身の黒いトレーニングウエアにカバーをこすりつけた。自分の服で、水性ペンの跡を拭き取ったのだ。

18歳の高校生が、大事な時間を使って、ここまで思いを込めている。だからこそ残念だ。サインを待つ長い列に横入りする人たち。「今日は小さい子だけでお願いします」とスタッフが要請しても、囲む大人たち。1人1回のルールを破り、2度並ぶ人たち。見ていれば大体分かる。でもサインを書く方は、特に新人選手は気付いたところで何も言えない-。

15年ぶりにプロ野球を取材している。ファンサービスは格段に進化し、選手とファンの相互尊重も深まったように感じる。だからこそ、一部の“暴走”が目立つのかもしれない。

プロ野球選手は「個々人の技量向上・維持」が大前提の仕事だ。ファンサービスの時間は必然的に限られるだけに、温かな空間であってほしい。「きれいごとだよ」と笑われるかもしれないが。【金子真仁】

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