「記者」とはどういう職業なのか。社会人1年目で初のキャンプ取材。何もかもが初めてのことばかりでワクワクした。リモート取材ではなく直接対面して取材ができた。人数を減らしたり、距離を取ったりと今までどおりとはいかない。それでもプロ野球選手と直接言葉を交わすことができる。仕事ではあるものの、1人の野球好きとして幸せなことだった。

日刊スポーツ巨人担当のツイッター企画「こちコバz」に時折寄せられるコメントもうれしかった。毎日朝夜2枚、自撮り写真を世間に発信し続けた。宮崎では名物のなんじゃこら大福とともに。沖縄では海の風景や猫とともに。無観客でキャンプに来られないファンに少しでも雰囲気を感じてほしかった。

当然、うまくいくことばかりではない。ただ先輩記者たちが助けてくれた。巨人担当は4人でチーム。単独行動も多い仕事柄、新人記者にとっては直接指導してもらえるありがたい環境だった。人として当たり前のことを当たり前にやることが、原稿に、取材に〓(繋の車の下に凵)がると学んだ。まずは大の苦手な整理整頓から始めてみようと思う。

楽しみにしてくれる人がいる。文章が好きな母希美子(54)は私の書いた原稿やツイートを毎日確認し「句読点の位置がこっちのほうがいいんじゃないか」「『夢を込めた』より、『思いを込めた』の方がいいんじゃないか」などと添削をしてくれた。頼んでもいないのに、私の書いた記事を切り抜いてファイルにまとめてくれていた。

目の前のことばかりに集中すると忘れがちになる。でも毎日息子の記事を楽しみにしてくれる母親がいる。記事を読んでくださる読者の方々がいる。そういう存在を常に忘れないようにしたい。謙虚に、責任感を持って、楽しみながら取材活動に取り組みたい。将来、成長した姿で「1年目のキャンプ取材はこんな感じだったな」と笑って振り返りたい。【巨人担当=小早川宗一郎】

捕手の練習に加わる巨人坂本(撮影・足立雅史)
捕手の練習に加わる巨人坂本(撮影・足立雅史)
全体練習前、体を動かす巨人岡本和(右)(撮影・足立雅史)
全体練習前、体を動かす巨人岡本和(右)(撮影・足立雅史)