プロ野球は、いよいよ、えらいことになってきました。セ・リーグは阪神に優勝マジック「24」が点灯しており、パ・リーグではオリックスが2位・ロッテに8・5ゲーム差をつけての首位独走中です。(23日現在)。
もはや両球団のリーグ制覇は確実な状況。もちろんクライマックスシリーズはありますが、順当に勝ち上がれば、日本シリーズで両雄が激突する「関西決戦」の実現です。
関西決戦は1964年(昭39)、当時の南海ホークスと阪神で実現しており、それ以来になります。しかし、その年は東京五輪があり、最近あったそれとは違い、日本中が歓迎し「五輪ブーム」で大いに盛り上がったようです。
さらに当時の阪神人気は今ほどではなかったとも言いますし、シリーズもやや静かに南海の日本一で終わったと聞きます。当時、こちらは1歳だったので、まったく覚えていません。
そんな中、先日、オリックス関係者がこんな話をしていました。「阪神、強いですね。もう優勝でしょう。ウチも分からないけど可能性は高いですよね。関西対決、盛り上がるでしょうね。でも心配なこともありますけどね…」。
心配なこととは。ズバリ、それは「京セラドーム大阪が阪神ファンだけで埋まってしまうのでは」ということです。
「阪神対オリックス」という前提に立てば、当然、試合は甲子園球場と京セラドーム大阪で行われます。10月28日から始まる今年の同シリーズはパ・リーグ側の主催試合から始まるなので、京セラドーム大阪で2試合、甲子園で3試合、そしてまた同ドームで2試合…という流れです。
12球団でもっともファンが多いとされる阪神、甲子園が虎党で埋まるのは普通のことです。18年ぶりリーグ制覇となれば、さらに拍車がかかるでしょう。いかに大阪を本拠地とするオリックスでも、センターから左側すべてをオリ党で占拠することは考えにくい。多く見積もってもシーズン中で言えば、広島カープが来るときぐらいの占有度になるのではないでしょうか。
問題は京セラドーム大阪でのゲームです。阪神はシーズン中、ここでも主催試合を行います。今季は前日23日までに8試合を開催し、すべて勝つという史上初の出来事も起こしました。もはや「準本拠地」でしょう。
そこでのシリーズ開催となれば、関係者が言うように「虎党だけで埋まるのでは」という心配もなんとなく想像できることです。実際どうなるのでしょうか。
チケット販売については明らかにされていない面が多いのですが、各方面に取材したところ少しだけ分かってきました。
まず前提として、日本シリーズは公式戦と違って日本野球機構(NPB)がチケットを発売するという事実があります。
ある球団の関係者によれば、シリーズの場合、どこの球場でも約2万席分をNPBがスポンサー契約している企業を通じてチケット販売します。その残りを主催球団側に優先的に譲るというのが慣例で、そこで球団がファンクラブを通じて優先販売する…というシステムになっているよう。ごく簡単に言えばですが。
約3万人が入る京セラドーム大阪の場合なら、2万席が“公平に”販売され、1万席がオリックス・ファン優先ということになる計算です。
その2万席の分配が抽選で決まるのかどうか現状は不明ですが、いくら母数が多い虎党とはいえ、そのすべてを虎党が占めるということは考えにくい。
仮に半分を虎党が占めたとしても虎党1万人に対し、オリックス・ファンは1万人+1万人の2万人で、本拠地球団として十分、メンツを保てる形になります。最初の関係者の心配は杞憂(きゆう)ということになるのです。
しかし反対に言えば、オリックスのファンクラブから申し込む人の中に虎党がいないという保証はありません。実際、オリックスの球団幹部は「パ・リーグではウチを応援してくれてるけどセ・リーグでは阪神、という人はいくらでもいるでしょう」と言います。
結論から言えば、こればかりはフタを開けてみないと分からない…という現状のようです。
もちろん、付け加えれば、その幹部からは「大体、どこがシリーズに出るかなんてまだ分からんでしょ。気が早いですよ」と苦言を呈されました。
それはその通りです。それでも両球団で指揮を執った阪神岡田監督の勢いもあって、なんだかドキドキしてしまう状況。こんな“心配”が出てくるのも関西対決ならではでしょう。【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「高原のねごと」)




