八戸学院光星(青森)が今日15日、龍谷大平安(京都)との2回戦に挑む。チームは14日、兵庫・伊丹市内で最終調整を行った。今大会からベンチ入りした背番号11左腕・成田太一(3年)は明石商(西兵庫)との初戦で2番手として登板し、2回5安打3失点。今年4月に左肘の靱帯(じんたい)損傷し戦列を離れたが、甲子園で復帰を果たした。エース右腕の福山優希(3年)と守護神の中村優惟(3年)との3本柱が完成し、4年ぶりの3回戦進出を狙う。

 次こそ「甲子園の魔物」を封じ込んでみせる。成田は2戦連続の地元関西勢との対決に闘志を燃やした。初戦はピンチの度に、4万人以上の大観衆が拍手を繰り出す完全アウェーを経験。4カ月ぶりの復帰登板を振り返り「アウェーになるのは分かっていた『自分の応援だと思え』と言われていたけど…。気になる部分はあった。自分の野球人生であんなことはなかった」。それでも強気の表情を浮かべ、宣言した。

 成田 真っすぐも変化球も思い通りじゃなかったけど、次は自分の投球をする。抑えたらあの歓声は止まるし、自分へのエールにもなる。

 仲井宗基監督(48)にとっては就任して初めて、夏の青森大会ベンチ外の選手を甲子園に抜てきした。故障復帰直後の青森大会はあえてメンバー外に落として打撃投手で調整させ、8月に間に合わせた。「力があるのは分かっている。思い出作りでベンチに入れてない。投手は福山、成田、中村の3人しか入れてない」と成田に期待する。その成田も「甲子園でベンチに入れてもらってありがたい」と感謝する。

 平安は因縁の相手だ。入学前の16年春のセンバツ2回戦では完封負け。成田が完投した17年春の関西遠征でも2-3でサヨナラ負けしている。「もう負けられない。先発でも中継ぎでもどこでも投げる。自分の投球をして、勝ちたい」。最速140キロの直球と4種類の変化球を駆使して、難敵に立ち向かう。【高橋洋平】