第91回選抜高校野球大会(来年3月23日開幕、甲子園)の21世紀枠各地区候補9校が14日、日本高野連から発表され、東北地区推薦校に古川(宮城)が選出された。今秋は県大会準優勝で57年ぶりの東北大会出場を果たし、同大会でも4強進出。文武両道や東日本大震災復興ボランティア活動なども評価され、創立122年目で春夏通じて初甲子園に前進した。同枠3校を含む代表32校を選ぶ選考委員会は、来年1月25日に行われる。

<記者の目>

古川の「21世紀枠」3枠への選出は有力とみる。エース千坂を中心とした実力は、一定レベルに達している。秋季県北部地区予選から東北大会まで、ほぼ1人で投げ抜いた。今年も国公立大学現役合格66人を誇る同校の中で、学力も理系クラス120人中、10番台をキープする「IQ鉄腕」。文武両道とボランティア活動などを含め、甲子園未出場も決め手にはなる。

選考は東日本と西日本で、まず1校ずつを選出し、3校目を東西の次点校から審議する。釧路湖陵(北海道)は古川同様に文武両道に加え、北海道地震の大規模停電などを乗り越えてきた。だが、神宮枠を北海道が得たことで地域性では不利。石岡一(関東・茨城)は最速147キロ右腕・岩本大地(2年)を擁して県4強。近年は常に強豪と接戦を演じ、園芸科や造園科など農業分野での貢献もある。金津(北信越・福井)は今夏甲子園に出場した敦賀気比に勝ち、園児や小学生などへの野球普及活動も評価されている。

古川にとってのマイナス要素は、過去10年中8年で東北から選出されている偏りか。紫を基調としたユニホーム、体を反らせて全力で歌う校歌、絶対的エースの存在など、今夏の主役となった金足農(秋田)に類似する部分も多い。両校ともOB監督で躍進。選出されれば「旋風」の予感は漂う。【高校野球担当・鎌田直秀】