上越が長岡大手に3-2で競り勝った。昨夏以来のマウンドとなる土井佑吹(うぶき)投手(3年)が初回に2点を失いながらも完投勝利。148球の粘投で被安打6の7奪三振、2回以降は本塁を踏ませなかった。
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勝利への強い執念は、エース土井投手のバント処理に表れた。3-2で迎えた9回無死一塁だ。田辺健太左翼手(3年)の送りバントを素手で捕って、二塁に送球した。アウトを奪い、ピンチの芽を摘む。「練習でやっていたこと」と話したが、勝利へ1歩近づく果敢なプレー。2死一塁からのウイニングボールが、内山海斗中堅手(3年=主将)のグラブに収まると、両腕を突き上げた。日焼けした顔に白い歯を見せた。
昨夏以来、約1年ぶりの登板だった。「緊張した」という初回は3四死球に1安打を許し、2点を献上した。ところが、2回以降は立ち直った。8イニング連続でゼロに抑えた。「フォームがいつもと違う」と同僚に指摘され、冷静さを取り戻した。相手が8残塁の粘投だった。
昨夏の2回戦は2番手投手としてマウンドに立ち、北越に3-11の7回コールド負け。「来年は(主将の)内山と2人で主役になってくれ」と先輩たちに託された言葉を今夏、実現させた。昨夏以降、左肩にインピンジメント症候群を発症し、投げられない状態が半年以上。「焦りがあった」と言う苦境も乗り切った。5月からブルベンでの投球を再開し、夏は背番号1を初めてもらった。
土井の父誠さん(47)は高田工(現上越総合技術)時代の90年夏に甲子園初出場している。父との甲子園に関する会話はないが、狙っているのは親子2代の甲子園出場だ。昨秋、今春を故障で投げられなかったエースは「夏がある」と目標に向かって蓄えてきたパワーをマウンドで吐き出す。【涌井幹雄】

