腕の見せどころだった。1-0の4回1死満塁、山村学園(埼玉)のバッテリーは熊谷商・岡村に投ゴロを打たせた。投手から本塁返球を受けた橋本大樹捕手(3年)は一塁転送。打者走者も必死に駆けたが、わずかな差で投-捕-一の併殺を成立させた。2回無死一塁では、走者のスタートに二塁送球。走者が慌てて一塁に戻る場面が2度もあった。「盗塁をさせないのは捕手として当たり前」。二塁送球は最速1秒85。強肩で傷口を防ぎ、8強進出に貢献した。

昨秋までは外野手。中学まで親しんだ捕手を希望したが、岡野泰崇監督(43)の評価は「肩は強いが他のことができない。それを認めたがらない」と厳しかった。ようやく今春「心が成長した」と認められ、捕手に。「自分でも何をしてたんだ、と。これからです」。正捕手として、あと3勝を目指す。【古川真弥】