今夏の岩手大会決勝の再戦で、大船渡が花巻東に4-17の6回コールド負けを喫し、夏のリベンジはならなかった。

夏は「6番遊撃」で主力だった吉田昂生内野手(2年)は「先輩たちの思いも背負って勝ちたい気持ちだったが、一番は楽しもうと決めていた。点差はついてしまったが、今の自分たちのベストの形は出せたと思う」と納得の表情。「花巻東とは技術や体の大きさなどレベルの差を感じた。冬の期間に頑張りたい」と来年を見据えた。

最速163キロエース右腕・佐々木朗希投手(3年)が出場しないまま2-12で敗れてから約2カ月。早くも新チームでの対戦が実現した。1回表に安打や暴投、失策で2点を先制されたが、同裏に一挙3得点で逆転した。1死一、二塁から4番の吉田が右翼線適時二塁打に続き、2死満塁から「7番右翼」及川遥毅外野手(2年)が中前2点適時打が放った。

佐々木から背番号1を受け継いだ160センチエース左腕・前川真斗投手(2年)も3回までは2失点。夏の決勝では7回から2番手登板し、3回4安打3失点した反省を生かしてコースを丹念についた。だが、4回先頭に四球を許すと、4安打で5失点。5回にも2失点を喫して降板した。「偉大な先輩を受け継ぐというより、少しでも近づけるように努力したい。夏は投げる前から気持ちが弱気だったが、今日は強気に投げることは出来た。体を大きくして球速やコントロールも磨いていきたい」と成長を誓った。

国保陽平監督(32)も「県大会で2つ勝つという彼らの目標をクリアできたことは素晴らしい。レベルの高いチームが目の前に現れて、勝ちたかったけれど勝てなかった。次の目標になると思う」と選手をたたえた。課題に走力、肩の力、スイング力を挙げ、さらなるレベル向上に挑む。