加藤学園(静岡)の吉村海音(かいと)投手(1年)は、昨夏の県大会で登板機会を与えられた。だが、右肩を痛めた影響で昨秋の公式戦でメンバー入りできなかった。「夏に良い経験をさせてもらったのに、秋はチームに貢献できなかったので悔しかったです」と振り返った。

昨年12月ごろ。まだセンバツ出場が決まっていなかったが、米山学監督(41)の「決まるものと思って、練習をしよう」の言葉から、甲子園を意識して練習をしてきた。体作りを重点的に行い、体の強度と体力が向上。投球の威力もキレを増した。「指のかかりも良く、納得のいく球が増えてきた」と自信を見せた。

2月に入ると、紅白戦でレギュラー組を相手に好投。右打者への外角直球、昨秋前から練習してきたチェンジアップも左打者の外角へ、効果的に決まるようになってきた。それでも、自身と肥沼竣投手(2年)を比較し、「制球力が劣っているので、そこを上げていきたい」と話した。

エースに次ぐ投手がチームの課題だ。「肥沼さん1人ではやっていけないと監督に言われた。強い意識を持って、1イニングでも多く良い投球ができるように頑張りたい」と決意を示した。【河合萌彦】

◆吉村海音(よしむら・かいと)2003年(平15)7月10日、神奈川県厚木市生まれ。長谷スポーツ少年団、二宮大磯リトルシニアを経て、加藤学園高では1年夏にメンバー入りした。右投げ右打ち。178センチ、80キロ。血液型B。家族は両親と弟2人。趣味は音楽鑑賞。お気に入りの曲は、back numberの「花束」。

※「至誠」とは、加藤学園高の校訓で誠実で品位のある姿勢を示す。「全ての事は心からはじまる」を部訓とする野球部にも通じる言葉です。