ブルーインパルスのお膝元から甲子園へ羽ばたく! 今春開校した日本ウェルネス宮城の男子硬式野球部が1日から、東松島市の同校グラウンドで本格スタートを切った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開校直後から長期休校を余儀なくされたが、中学を卒業したばかりの部員14人は寮生活をしながら、登校日ごとに限定的な練習を積み、県高野連への加盟手続きも完了した。同市には航空自衛隊松島基地があり、アクロバット飛行チームが訓練する大空の下、フロンティア精神あふれる1期生たちが、チーム史のプロローグを築く。

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開拓者魂で創部史を刻んでいく。オール1年生の日本ウェルネス宮城の創部メンバーが、満を持して本格始動した。

全寮制の同校は4月1日に開校。初年度は普通科のスポーツコースに男子15人、女子7人(バレーボール部)の計22人が入学した。来春創部予定のサッカー部志望1人を除く男子14人が硬式野球部員で、すでに県高野連に選手登録。日大山形で甲子園にも出場した金子隆監督(62)の下で、公式戦デビューを目指している。創部早々、夏の甲子園が中止になったが、金子監督は「栄冠は優勝した人に輝くのではなく、一生懸命に頑張った人に輝く」と夏の大会歌を引用し、選手たちを鼓舞している。

金子監督は仙台南シニアを創設し、昨年まで20年間指導。「内野と外野は当たり前、出来るならピッチャーもキャッチャーもさせたい」と1人で複数ポジョンをこなす二刀流、三刀流を育てたい考えだ。ともに投手と外野手を兼任する早坂海思と西内洸也の宮城臨空シニア出身コンビは、18年の秋季新人東北大会で優勝し、昨春の全国選抜(大阪)に出場した。エース候補の早坂は「1期生として歴史をつくりたい。常に練習できる環境なので、将来は球速145キロ以上出せるようになってプロ野球を目指したい」。先頭打者を希望する西内は「自分の力を試したい。長打力を磨いてどんな状況でも出塁してチームを引っ張りたい」と闘志を見せた。

金子監督に仙台南シニアで指導を受けた高橋幸希捕手が投手陣をリード。初代主将としてもチームをまとめる。4番候補でもあり「みんなから信頼される存在になって甲子園を目指したい」と夢を広げた。東松島市が専用練習場として、自転車で寮から約20分距離にある鷹来の森運動公園の多目的グラウンドを提供。地元の航空自衛隊ブルーインパルスの格納庫を移設した屋内運動場も完備する。フレッシュな1年生球児たちが夢に向かって飛び立つ。【佐々木雄高】

◆日本ウェルネス宮城 全国各地でスポーツ大学や通信制高校などを運営する学校法人タイケン学園初の全日制高校として、旧鳴瀬中校舎を改装してに開校。全寮制で普通科3コース(進学、スポーツ、グローバル)を有する。スポーツコースに男子硬式野球部、女子バレーボール部、陸上部、男子サッカー部を開設。創立初年度は硬式野球部と女子バレーボール部でスタートを切った。所在地は宮城県東松島市小野字裏丁1。柴田三千夫校長。