今秋ドラフト候補で天理のエース達孝太投手(3年)が3月のセンバツ以来となる公式戦登板に臨み、救援で1回無安打無失点に抑えた。最速145キロを計測した速球で押した。12球で遊ゴロ、二ゴロ、見逃し三振。自己最速148キロの剛腕健在のマウンドだった。

「(春の)甲子園まで状態は戻っていませんが、夏に向けてしっかり戻して春よりいい成績を残すのを目標にしています。(力加減は)いまは5、6割です」

勇名をとどろかせた春だった。センバツは3戦で防御率1・04。チームの4強進出に貢献した。だが、459球を投じて疲労もたまっていた。29日仙台育英戦で左脇腹を負傷し、東海大相模戦は登板回避。その後は回復に努め、4月下旬にキャッチボール再開。この日も「まったく痛みはありません」と話した。中村良二監督(52)も「心配してません」と言う。

センバツで「達株」は高騰し、この日は9球団12人のスカウトが集結。回復を確かめた。巨人渡辺スカウトが「モノが違う。甲子園でスタミナや試合を作れて評価が上がった」と話せば、阪神山本スカウトは「腕を振って投げられていた。(脇腹も)全然、大丈夫。上位候補に違いない」と評価した。広島鞘師スカウトも「ケガも問題なさそう。浮いた球もなかった」と振り返る。センバツ4強以上の夏へ。大勝負に向けて、再出発した。【酒井俊作】